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【全豪V】大坂なおみのクール&ちょっと笑える名言「食べすぎちゃった」「余計な考えが吹っ切れた」瞬間とは
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byHiromasa Mano
posted2021/02/20 20:00
2年ぶり2度目の全豪優勝の瞬間、大坂なおみは満面の笑みで優勝の喜びをかみしめた
まるで名棋士のような“データと直感”の融合
<名言3>
試合を通してちょっといろいろ考えすぎていたところがあったけど、余計な考えが吹っ切れた感じだった。あのあとは直感をベースにプレーするようになったと思う。
(大坂なおみ/NumberWeb 2021年2月15日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/847010
◇解説◇
大坂にとって今大会最大のピンチは、4回戦のガルビネ・ムグルサ戦だった。
ムグルサは2016年全仏、2017年ウィンブルドンのチャンピオンで、世界1位も経験した実力者である。4回戦屈指の好カードは第3セットまでもつれ、勝利に近づいたのはムグルサだった。大坂は第8ゲームでブレークポイントを握りながらもキープを許し、3-5で迎えたサービスゲームでは15-40とマッチポイントまで追い詰められたのだ。
しかしそこから大坂の反撃が始まる。深く鋭くなったショットでキープに成功すると、第10ゲームでブレーク。その勢いのまま2ゲームを連取して勝ち切ったのだ。
直感型のテニスと言われる大阪だが、ここ最近、フィセッテ・コーチの用いるデータも重視するようになった。同コーチも「なおみはどんどんデータに熱心になっているよ」と認めるほどである。
ただし、である。
「いくらたくさんの情報があったとしても、最後は自分自身。お決まりのやり方に従うことが全てじゃない。試合の中で自分なりに相手を分析して、そこにウィムが言っていたことも考え、合わせている」
大坂はこのようにも話している。将棋でも数多の対局での経験値が“直感”につながる――と語った名棋士がいるが、23歳の大坂がすでにデータと直感の融合を覚えつつあるとしたら、凄まじい成長と言えるだろう。