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プロゴルファー宮里美香が語る【断食】…準備と回復を合わせて3週間「体をリセットするためです」
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byAtsushi Tomura/Getty Images
posted2021/02/21 06:02
今季で国内ツアー参戦3年目を迎える宮里美香。オフに行ったファスティングの効果でコンディションは良好のようだ
「無観客」を経験して湧いた優勝の欲
今年もファスティングにトライした宮里だが、例年以上に体を意識して整えているのには理由がある。
「昨年は、試合にお客さんがいなくて、すごく寂しかったんです。もちろん、コロナ禍なので、仕方ありません。ただ、初めて無観客になったことで、今までお客さんの応援が自分の力になっていたんだなと改めて感じました。まだ今年の試合もどうなるか分かりませんが、お客さんがいてこそのゴルフトーナメントなので、お客さんとともに盛り上がって『優勝』できたらいいなと思います」
2009年から米ツアーに参戦した宮里は、17年に米ツアーの賞金シードを喪失。今季で国内ツアー参戦は3年目を迎える。昨シーズンは上位争いやトップ10入りは何試合かあったものの、国内ツアーのメンバーとしての優勝はまだない。それだけに今季にかける意気込みも強い。上半身のトレーニングを重点的に取り組み、今まで以上にスイングの安定性を目指す。その土台づくりとして、ファスティングは重要な時間だったと振り返った。
「国内ツアーは米ツアーより試合数が多い。連戦を戦い抜くにあたって体が資本になるので、シーズン前にしっかりと体を見直せたことはよかったです」
今のうちの体のベースづくりを
体の好調を実感するからこそ、今シーズンに向けてモチベーションも高まっているという。何かと気分が暗くなる日々が続く我々にとっても、そのポジティブな思考は大切な要素。さらに外出自粛の期間が明ければ会食などの機会も増えるだけに、いまのうちにファスティングに挑戦して体のベースづくりを見直すことは悪くないかもしれない。
「自分の体の調子は、自分が一番分かると思うので、もし暴飲暴食しちゃって、ちょっと体を整えたいなと感じたら、まずは週末の1日だけのファスティングでもいいと思いますよ。それにファスティングの後、変化を感じたらまずはなんでもいいので体を動かして欲しい。プランクやスクワットなど自宅で出来ることでいいですし、自宅にベランダがある方は、そこで縄跳びをしても良いと思います。私はランニングが苦手なので、その代わりに散歩していますし(笑)」
身体が資本のアスリート。もちろんすべてを真似することは難しいが、彼ら彼女らの思索には日々を楽しく過ごすためのヒントが隠されている。