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プロゴルファー宮里美香が語る【断食】…準備と回復を合わせて3週間「体をリセットするためです」
posted2021/02/21 06:02
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Atsushi Tomura/Getty Images
ファスティングの直訳は「断食」。だが、それは決して“飲まず食わず”ではなく、一定の期間、固形物を食べずに最低限の栄養素だけを摂取するというもの。その文字を検索窓に入力すれば、「3日間で3kgダイエット!」や「アンチエイジングに効果的!」といった魅力的なキャッチコピーが躍っている。
プロゴルファーの宮里美香も定期的にその「ファスティング」に取り組んでいるという。しかし、宮里の目的は別にある。
「オフシーズンに内臓を休ませて、体をリセットするためです」
5年以上も続けているファスティング
宮里をはじめとするプロゴルファーは、1年間通して日本全国あちこちに転戦するため、外食の機会がどうしても多くなる。シーズン中は、試合という大きなストレスがのしかかっているため、外食によってたとえ栄養のバランスが崩れたとしても、食事制限という新たな負荷を増やしたくないのが本音だろう。
さらにゴルファーのオフシーズンは12月から年をまたいで2月末頃。その約3カ月はメディアやスポンサー関連の仕事や来季に向けた練習と、何かと忙しい時間を過ごし、宮里の実質的なオフは12月中の数週間のみ。食べることもお酒をたしなむことも大好きだと話す宮里は、そんな限られた時間の中でも「友達とワイワイ楽しく飲みたいし、飲むと味が濃いものや脂っこいものを食べたくなるんですよね」と笑う。
そうして食事を楽しんだ後は“ファスティング”である。本格的なトレーニングを始動する前、オフで緩んだメンタルや体を整えるのに最適なんだとか。
宮里がファスティングのことを知ったのは、いまから5年以上前。高校生の頃から交流がある杏林予防医学研究所の山田豊文所長から教わった。コンディショニングを目的として実際に試すトップアスリートがいることを知り、より興味を深めていった。
山田所長の指導を受けて、挑戦したのはシーズン半ばの2017年夏。体に疲れを感じていたことで取り入れた結果、効果を実感したため、それ以降は年に1、2回のペースで行っている。