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ロナウドという衝撃…現実のサッカーを“プレイステーションの世界”に突入させた男【ドリームチーム選出】
text by
フレデリック・エルメルFrederic Hermel
photograph byJMPA
posted2021/02/28 17:00
膝の怪我からの復帰後でコンディションが不安視された02年W杯では8得点で得点王に輝き優勝に貢献
ロナウド それはキャリアのどの時期かによって異なる。最初の10年間はフィジカルの問題はほとんどなく、深刻な状況に陥ることもなくすべてがうまくいっていた。だがその後の10年は、できるだけ高い位置でプレーするようにした。というのも大怪我の後でモビリティが低下したからだ。いずれにせよアタッカーの人数は多ければ多いほどよかった。相手ディフェンダーの注意が彼らに向いて、僕がプレーしやすくなったからだ。1トップで前線に孤立するのが一番嫌だった。
キャリアを一変させた膝の十字靭帯断裂
――3度にわたり膝に重傷を負いましたが、どうやって克服したのでしょうか?
ロナウド 怪我には本当に悩まされた。キャリアの後半はそれで動きが鈍り、新たな現実に対応しなければならなかった。相手のペナルティエリアからあまり離れないようにしたのも、必要に迫られてのことだった。長い距離のスプリントが難しくなっていたからだ。30m以上だとかなりきつかった。だからやり方を変えて、それはうまくいった(微笑)。
――当時のあなたは走らないと批判されていました……。
ロナウド 大怪我の前と後を比較するのはフェアじゃない。膝の自由が利かなくなって、その結果として以前のようなスピードを失ってしまったことはよく理解すべきだ。素早く動けるのは狭いスペースの中だけで、それですらかつての切れ味はもはやなかった。
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