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ワールドユース後に届いた「生卵かけるぞ」…五輪、W杯落選の佐藤寿人が“仲間”を応援した理由<谷間の世代>
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byKazuya Gondo/AFLO SPORT
posted2021/02/11 17:04
2001年ワールドユースでグループリーグ敗退が決まり、涙を流す佐藤寿人。黄金世代と比較されることが多かった
昨年限りで前田遼一も引退し、現役でプレーする選手もわずかとなった。しかし、阿部勇樹や松井大輔、駒野らは40歳になる今季もピッチに立ち、戦う。“谷間の世代”が最後まで意地を見せたいと。
「大輔はまた海外(ベトナム/サイゴンFC)に行きましたけど、それもまた大輔らしい決断だなって思いますね。コマも身体は強いし、長くやれる選手だろうなと思ってましたけど。阿部ちゃんはジェフのジュニアユース時代から一緒で佐藤兄弟にとっては、常にいい背中を見せてくれていた同い年の選手。昨年は怪我で苦しいシーズンだったと思うけれど、今年はピッチの上で頑張っている姿をたくさん見たいです。結果はどうであれ、選手でいてくれるだけでも僕らの世代はうれしいので」
数年前、阿部や那須大亮がSNSで「谷間の世代会」総勢11名で撮影した写真をアップした。なにげない食事の風景を収めたものだったが、月日が流れても変わらない様子が微笑ましかった。
厳しい評価をされながらも、ともに同じ時代を力強く生きてきた谷間の世代。彼らの仲間の絆があらためて感じられるような、見えない結束のようなものが伝わってくる1枚だった。
「まだ現役で頑張る選手も、僕のように選手ではない立場になっても、谷間世代、粘っこくいきますよ!(笑)」
現役選手、指導者、YouTuber、経営者……それぞれの道は違っても、彼らはそのさきもそれぞれの舞台で輝きを放つだろう。
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