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柿谷曜一朗をどう生かす? 齋藤学&長澤和輝ら大型補強の名古屋、マッシモ監督が試す策は…【開幕予想布陣つき】
posted2021/02/13 06:00
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Atsushi Iio
これほど難解なパズルもないだろう。今季、積極補強を敢行した名古屋グランパスの前線の組み合わせのことだ。他クラブが羨むほどのタレントが揃っているのだ。
2月6日に行われたJ2・FC琉球とのテストマッチ(45分×3本/○8-1)では相馬勇紀、ガブリエル・シャビエル、前田直輝が2列目で、山﨑凌吾が1トップで先発し、途中から齋藤学、阿部浩之、マテウス、柿谷曜一朗へとそっくり入れ替わった。
シーズン前のこの時期は、どのチームも新戦力や組み合わせを試しているが、なんとなくポジションごとの序列は見えてくるものだ。しかし、名古屋の場合、特に2列目はさっぱり分からない。
マッシモ監督、レギュラーを定めるつもりはない?
いや、もしかすると、マッシモ・フィッカデンティ監督もレギュラーを定めるつもりはないのかもしれない。琉球戦のあと、こんなことを話している。
「誰と誰が出ることで、どういった反応があるのか見ているが、誰と誰の組み合わせが一番良いという見方はする必要がないと思う。特に今シーズンは全員が試合に出られる状態でなければ困る。セットで使うというわけではない」
20チームで争う今季は、昨季に続き過密日程となる。しかも名古屋の場合、4月から5月にかけてセントラル開催となるAFCチャンピオンズリーグのグループステージも控えている。
昨季はある程度メンバーを固定して戦い抜いたが、より高みを目指す今季は選手を入れ替えながら戦っていく――つまり、ターンオーバー制採用の宣言にも聞こえるのだ。
齋藤学「誰と誰がやってもこの形を、というのが」
指揮官の言葉を裏付けるかのごとく、川崎フロンターレからやって来た齋藤も8日のトレーニングのあと、こう語った。
「誰と誰が組んだから良かった、では再現性がない。誰と誰がやってもこの形を出せるというようになるのが、チームとしてベスト」
指揮官の期待に応えるように、トレーニングマッチでは攻撃のタレント陣が軒並み結果を残している。