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巨人・原辰徳監督、今季“理想の打線”が「2番・坂本勇人」から変わったワケ…カギは吉川尚輝のOPS

posted2021/02/06 11:02

 
巨人・原辰徳監督、今季“理想の打線”が「2番・坂本勇人」から変わったワケ…カギは吉川尚輝のOPS<Number Web> photograph by JIJI PRESS

キャンプでの打撃練習中、笑顔を見せる坂本

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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 一昨年の巨人・坂本勇人内野手の成功から、球界のトレンドとなりつつある攻撃的2番打者。これまでの「2番はつなぎ」で先頭打者が出塁したら送りバントで「まずは得点圏に」、という日本球界の“常識”を「強打の2番打者」が大きく変えたのは確かだ。

 もちろん巨人の坂本以前にも日本ハムの栗山英樹監督が二刀流・大谷翔平投手(現ロサンゼルス・エンゼルス)を2番に起用するなど、過去にもトライした監督はいた。

 ただ栗山監督が大谷を起用した試合後に「いくら翔平に『これまでと違う2番なんだよ』と言っても、本人がどうしてもいままでの2番打者のイメージから抜け切ることができない」と嘆いていた。ことほど左様に「2番=つなぎ」という固定観念は、選手の頭にも刻み込まれているのが日本の野球なのである。

 だからこそ坂本くらいの選手を2番に抜擢しなければ、その固定観念は払拭できなかったはずだ。そうして坂本が球界に新しい常識を植え付けた。それこそが2019年の「2番・坂本」成功の意義だったとも言える。

 だが、実はこの「攻撃的2番」の成功例は、ずっと遡って1990年代に、もう1つある。

 それは1998年のことだ。

 当時の巨人・長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)が清水隆行外野手を2番に起用。「送りバントをしない2番打者」として売り出したのである。

 当時の巨人は3番に松井秀喜外野手、4番に清原和博内野手、5番は高橋由伸外野手にマリアノ・ダンカン、広沢克己、石井浩郎らの内野手が日替わりで務めるというオーダー編成。そして問題の1、2番は開幕戦こそ1番・仁志敏久内野手、2番・元木大介内野手で臨んだが、2戦目から2番に清水を起用している。

長嶋監督の頭にあったもう1つのオーダー

 その後は2000年のリーグ優勝、王貞治監督のダイエーとのON対決を制した日本シリーズまで、不動のコンビとして仁志と清水は1、2番を打つことになる。

 このとき実は長嶋監督の頭には、もう1つのオーダーがあったのだという。

【次ページ】 「バントをしない前提ならば2番は左がいい」

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