吉川が石井コーチと取り組んでいること

「もちろんOPSを上げていかなければいけないんですけど、やっぱりこだわるのは出塁率ですね。ただ四球を増やすというよりは、打ちに行く中で、結果的にフォアボールを選べるのがベスト。足で二塁打、三塁打を増やしていければ長打率も上がると思います」

　そのためにはボールを引きつけて、見極め、しっかり逆方向へ強い打球を打ち返せる打撃は必須だ。石井琢朗野手総合コーチと取り組んでいるのも、ボールを引きつけてそれを打ち返すための技術の習得だった。

「アピールしないといけない立場なので、他のS班の人と同じメニューではダメだと思う。S班にはたくさん凄い選手がいるので、聞きながらやっていきたいです」

　特別扱いを受けているからこそ、吉川に求められるのは貪欲になることだった。

　98年に始まった仁志と清水の1、2番コンビ。そこで仁志が残したOPSは98年こそ.737だったが、99年には.769として日本一となった2000年には.811まで跳ね上げている。長打率も99年以降は3年連続で4割台をキープして、バントをしない2番打者の存在感を発揮した。

　紛れもなく攻撃的2番打者を生かすも殺すも1番打者の打撃なのである。

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