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【36歳に】“泣き虫”クリロナが手に入れた鋼の肉体と心 「腹筋は強く美しくあるために」「僕は違う動物だ」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNanae Suzuki
posted2021/02/05 11:00
2016年クラブW杯、鹿島との決勝でゴールを決めて“お決まりのポーズ”を見せるロナウド。36歳となった今もトッププレーヤーだ
<名言2>
メッシが僕のモチベーションの一部を成しているのも間違いはない。
(クリスティアーノ・ロナウド/Number871号 2015年2月5日発売)
◇解説◇
ロナウドを語るうえで絶対に避けられないのが、同時代を生きるリオネル・メッシの存在だ。
2020年、コロナウイルス禍で表彰なしだったバロンドールだが、『フランス・フットボール』誌は「バロンドール・ドリームチーム」という最強イレブンを選出した。世界各国139人のジャーナリストによって投票された中で、現役選手として選ばれたのは“やはり”ロナウドとメッシだったことが、2人の偉大さを象徴しているだろう。
レアル・マドリーとバルセロナのエル・クラシコなどでしのぎを削り続けてきた2人。世間の人々だけでなく過去の名手も「ロナウドとメッシ、どちらが上か」という比較論を話してメディアを騒がせるなど、サッカーファンにとってここ15年間の“酒の肴”だった。
ただ当の本人たちはピッチ上でエールをかわすなど、よきライバルとして程よい距離感を保っている。モチベーションが尽きることない2人。彼らのスーパープレーを2020年代の今もなお見られているのは、サッカー好きとして幸せなことなのだとあらためて気づかされる。
<名言3>
歴史上のどんな偉大な選手にも、僕はジェラシーを感じないし羨ましいとも思わない。なぜなら僕は、自分がサッカーの歴史に名を残すとわかっていたからだ。
(クリスティアーノ・ロナウド/Number921号 2017年2月9日発売)
◇解説◇
並の選手がこんなセリフを吐いたら単なる大言壮語だが、バロンドールを5度も受賞したCR7の言葉となると誇張でもなんでもない、事実である。「エゴでそう言ってるんじゃない」とも話すロナウドは、「記録を見れば明らかだ」とも付け加えている。
そんなロナウドだが、記録を積み重ねるゴールゲッターとしてだけでなく、選手を奮い立たせるモチベーターとしても超一流なのでは、と人々に感じさせた一戦がある。ポルトガルが優勝したEURO2016、決勝戦のことだ。
フランスとの一戦でロナウドは前半で負傷交代し、涙にくれたかと思いきや……サントス監督を差し置いてテクニカルエリアで“熱血指導”を見せていた。2人の姿は少々ユーモラスだったが、それはCR7が誰よりも勝利を渇望している証拠でもあった。
もちろんまだまだそのプレーを見ていたいが、スパイクを脱いだ後のロナウドがもし指導者になったら――どれだけの栄光を手にできるのか、楽しみな部分である。