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スーパーボウルが野球界で話題に 元ドラフト指名選手はなぜ“野球ではなく”アメフトを選んだのか?

posted2021/02/07 11:00

 
スーパーボウルが野球界で話題に 元ドラフト指名選手はなぜ“野球ではなく”アメフトを選んだのか?<Number Web> photograph by Getty Images

今年のスーパーボウルに出場するトム・ブレイディ(左)とパトリック・マホームズ(右)はどちらもドラフト指名を受けた過去がある

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 2021年のNFLアメリカン・フットボール王者決定戦、スーパーボウル(2月7日、フロリダ州タンパ)は、AFC王者カンザスシティ・チーフス対NFC王者のタンパベイ・バッカニアーズという組み合わせになった。

 1月24日に両カンファレンスの決勝戦が行われた直後から、このスポーツの花形ポジションの一つであるクォーターバック(QB)対決が話題になっている。昨季まで所属したペイトリオッツ時代に通算6度のスーパーボウルを制した43歳のトム・ブレイディ(バッカニアーズ)と、昨季のスーパーボウルを制した25歳のパトリック・マホームズ(チーフス)による「新旧対決」だ。

 なぜブレイディとマホームズのQB対決がフットボール界だけではなく、野球界でも話題になっているのか? それは、二人がかつてメジャーリーグのドラフトにかかった「元野球選手」だからだ。

メジャーからドラフト指名を受けるほど

 1977年生まれのブレイディがNFLにデビューした時、1995年生まれのマホームズはまだ5歳だったそうで、日本のプロ野球に当てはめれば、元ソフトバンクの斉藤和巳氏(1977年生まれ)とオリックスの山岡泰輔投手(1995年生まれ)が日本シリーズ第7戦で投げ合うようなものかも知れない(同じリーグなので有り得ないが、百も承知のナンセンスな想像なのでご了承頂きたい)。

 ブレイディは、メジャーリーグ史上最多の通算762本塁打を放ったバリー・ボンズの出身校でもあるカリフォルニア州サンマテオ市のジュニペロ・セラ高校出身。その頃には左打ちの捕手として活躍したそうで、卒業時にはモントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)からドラフト18巡目(全体507位)指名されている。

 一方のマホームズは、テキサス州ホワイトハウス市の高校時代に遊撃手ながらマウンドにも上がり、16三振を奪ってノーヒッターを達成したことがあるそうで、「右投げ投手」としてデトロイト・タイガースから2014年のドラフトで37巡目(全体1120位)指名されている。

 ちなみにノーヒッター達成時に投げ勝った相手は、レッドソックスから同じドラフトで1巡目(全体33位)指名されて入団し、マイナー時代の2016年のオフに左腕クリス・セール投手とのトレードでホワイトソックスに移籍したマイケル・コペック投手。同投手は一昨年にデビューしている。

なぜ、野球を選ばなかったのか?

 これだけの成績を残し、多くの人が目指すメジャーリーグの球団からオファーを受けた二人だが、ブレイディとマホームズは共に、野球を選ばなかったのだ。

【次ページ】 父は横浜でもプレーした“プロ野球選手”

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#トム・ブレイディ
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# カンザスシティ・チーフス

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