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引退を早めた? MLB守備の名手・ペドロイアが会見で振り返った「4年前の危険すぎる接触プレー」
posted2021/02/08 11:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
野球選手である以上、小柄な体型よりは恵まれた大きな体格であったほうが望ましいに違いない。
無論、小柄であるが故の機敏性、瞬発力などのアドバンテージもあるだろうが、筋力、体力などのパワー面に関しては体格が大きくものを言う。
筆者自身も少年時代はプロ野球選手になることを夢みたが、身長は170cmにも満たず成長は中学時代に止まってしまった。体が大きくないから無理……。夢を自ら諦めてしまった苦い思いもある。
2月1日。ボストン・レッドソックス一筋に17年間プレーし、07年と13年のワールドシリーズ制覇の中心選手であったダスティン・ペドロイア二塁手が37歳で引退を表明した。
上原浩治も「小さい身体でよくやったよなぁ」
ペドロイアは公には175cm、77kgと発表しているが、レッドソックス取材時に彼と並んだ際には愚生よりも小さかったことを覚えている。おそらく本当は167cmほどか。
それでも、負けず嫌いな性格と豊富な練習量で大男たちに立ち向かっていった。準備も常に怠らず、身体的に足りない部分は考える力で補った。
07年の新人王に始まり、08年にはMVPにも輝き、オールスター出場とゴールドグラブ賞獲得はともに4回。1805安打を記録し、通算打率は.299、138盗塁に加え140本もの本塁打も放った。
そんな小兵の引退に際し、13年の世界一にともに貢献した上原浩治氏が自身のツイッターで労いの言葉を贈った。
「PD(ペドロイア)が引退表明 寂しいけど、小さい身体でよくやったよなぁ。お疲れ様!! また会える日を楽しみにしてるよ」
小柄な二塁手の“華麗すぎる守備”
04年のドラフトで2巡目、全体65番目の指名でレッドソックス入りしたペドロイアは、アリゾナ州立大学時代は遊撃手として活躍。ドラフト同期にはサイ・ヤング賞右腕のジャスティン・バーランダー(全体2番目)、カート・スズキ(全体67番目)などがいる。その中で彼は06年から二塁手として頭角を現した。