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スーパーボウルが野球界で話題に 元ドラフト指名選手はなぜ“野球ではなく”アメフトを選んだのか? 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2021/02/07 11:00

スーパーボウルが野球界で話題に 元ドラフト指名選手はなぜ“野球ではなく”アメフトを選んだのか?<Number Web> photograph by Getty Images

今年のスーパーボウルに出場するトム・ブレイディ(左)とパトリック・マホームズ(右)はどちらもドラフト指名を受けた過去がある

 もちろん、マホームズやブレイディのような「二刀流」や「三刀流」の選手が必ずしも成功するとは限らない。実は米国でも近年、早くから一つのスポーツに専念する子供たちが増えているというリポートがある。それは複数のスポーツをすると怪我をするリスクも上がるし、一年中スポーツをすることで自然と高まる保護者のサポートが行き過ぎ、「燃え尽き症候群」にも繋がるからということらしい。

 それでも、「いろんなスポーツをできる環境がある」というのは重要だ。たとえば高校卒業時、野球でもフットボールでも「ブレイディ以上の逸材」と考えられていた前述のヘンソンは、三塁手としてMLBでわずか8試合の出場に終わった後、野球界から引退してフットボールに完全転向。NFLダラス・カウボーイズなどでプレーした。残念ながらフットボールでも大成はできなかったが、早くから野球に専念していたらフットボールでプロになることはなかっただろう。

 子供たちがいろんなものに挑戦して成長していく段階で、取捨選択ができる環境があるというのは、決して悪いことではない。マホームズが父親の本心とは違うスポーツで頂点に立てたように、大事なのは保護者や指導者、あるいは競技団体や大会の主催者が子供のモチベ―ションを挫くような接し方にならないサポートをすることではないか。「野球かゼロか」ではなく、「どのスポーツが自分に合ってるんだろう?」と探求することが大切ではないかと思う。

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トム・ブレイディ
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