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阿部勇樹39歳と柏木陽介33歳 不遇から一転リカルド新体制で輝くか…思い出す鈴木啓太の言葉【J1浦和キャンプ】
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byURAWA REDS
posted2021/02/03 11:03
阿部勇樹(左)と柏木陽介。浦和を長年支えた2人がリカルド・ロドリゲス新監督と出会ってどのようなプレーを見せるか
最終ラインからボールをピックアップしてシンプルに散らし、相手の守備ラインの背後に際どいボールを送り込む。ボールを保持して主導権を握るリカルド・ロドリゲス監督のスタイルの中で、水を得た魚のようにイキイキとプレーした。
現在はトップ下とボランチの両方をこなしているが、ゲームの流れが読めて、ライン間でボールを受けられる柏木のプレーも、武田英寿や小泉佳穂といった同ポジションの若手は手本とすべきだろう。
近年は不遇をかこったという共通点
39歳の阿部と33歳の柏木に共通するのは、17年夏までのミハイロ・ペトロヴィッチ監督時代は押しも押されもせぬ主軸だったが、近年は不遇をかこっている点だ。
18年の堀孝史体制から少しずつ出番を減らしてきた阿部は昨季、負傷によってシーズンのほとんどを棒に振った。
「手術以外でこれだけ長く離れたのは初めてだったので、いろいろな方に迷惑を掛けたし、サポートしていただいた。最後のほうに練習に合流して、改めてサッカーっていいな、みんなと一緒にサッカーができるのは幸せだなって感じた。まずは今年、ケガをせずにしっかり1年戦いたい」
世代交代が進むがポジション奪回のチャンス
監督が代わり、若い選手も多数加わった。ポジション争いが横一線となり、世代交代が進むかもしれないが、阿部にとってこの状況はポジション奪回のチャンスでもある。
「ピッチに入って遠慮しているようでは、レッズでは戦えない。新しく入ってきた選手や宮本(優太)くん(入団が内定している流通経済大の新4年生)も参加して、思い切ってやっている。僕らも同じようにギラギラと野心を持っていかないと。それぞれが野心、希望、目標を持って、チームの目標に向かってやっていければと思うし、若い選手に負けないように僕らも良い刺激を与えていきたい」
水戸戦でピッチに立った阿部のプレーには、まさにプレーできる喜びや野心が詰まっているようだった。