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ブンデス降格候補→大健闘のクラブで響く負傷出遅れ… 遠藤渓太よ、監督の「腹の中の感情」をつかめ

posted2021/02/01 11:03

 
ブンデス降格候補→大健闘のクラブで響く負傷出遅れ… 遠藤渓太よ、監督の「腹の中の感情」をつかめ<Number Web> photograph by Getty Images

チームが好調も、自身の出番は限られる。遠藤渓太はそのジレンマを乗り越えたい

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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 ブンデスリーガ前半戦を振り返って一番センセーショナルなチームは? と聞かれたら多くの人は迷わずウニオン・ベルリンの名前を挙げるのではないだろうか。

 昨季、クラブ史上初めてブンデスリーガに昇格した。経営規模は小さく、抱える選手もトップレベルとは言えない。必然的に目標は1部残留となるし、シーズン前には降格候補とみられていた。

 それが、実際はどうだろう。

 ドルトムント(2-1)とレバークーゼン(1-0)に勝ち、バイエルンとボルシアMGには引き分けと、強豪相手に五分以上の成績をあげているのだから驚きだ。

 1月20日に行われた第17節はRBライプツィヒに0-1で敗れたが、勝ち点28の6位で折り返した奮闘ぶりには称賛が集まっている。

健全で賢い補強策が的中している

 好成績の要因としては、首脳陣による健全で賢い補強策があげられるだろう。ブンデスリーガ昇格を機に、ウニオンは選手の顔触れを大きく変えた。昨夏の新加入選手は14人、さらに今夏12人が加入している。

 手当たり次第ではない。あくまでも身の丈に合った補強策だ。スポーツディレクターのオリバー・ルーネルトが着目したのは、現時点では無名で市場価値がそこまで高くなく、それでいてクラブの哲学にばっちりあう選手たちだ。

 SDになる前はスカウトとして目を鍛えていたルーネルトは、他クラブのスカウト網からこぼれおちた選手たち、一癖あり獲得を躊躇されている選手たちから逸材を見出した。

2年半前まで4部所属、戦力外になった選手を

 例えば、FWマリウス・ビュルターは2年半前まで4部でプレーしていた。MFクリスティアン・ゲントナーは年齢的な衰えもあり、シュツットガルトを戦力外となった選手。DFロビン・クノッヘはヴォルフスブルクでポジションを取れずに移籍先を探していた。逆にチームにとって戦力的に必要な選手でも、クラブの経営を圧迫する危険があったらすぐに交渉を切り上げたり、他クラブへの移籍を容認したりしてきた。

【次ページ】 監督の“コミュ力”の高さにも要注目

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