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史上最高リベロ・ベッケンバウアーが明かす、「兄のような存在だった」カルロス・アウベルトとの思い出 

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アレクシス・メヌーゲ

アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge

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photograph byAndré Lecoq/L’Équipe

posted2021/01/31 17:02

史上最高リベロ・ベッケンバウアーが明かす、「兄のような存在だった」カルロス・アウベルトとの思い出<Number Web> photograph by André Lecoq/L’Équipe

象徴的なバイエルンとドイツのキャプテンは、効率的でエレガントなスタイルで“アタッキングリベロ”という革命を起こした

ベッケンバウアー まず名前が浮かぶのはカルロス・アウベルトで、今も称賛の気持ちを変わらず持ち続けている。彼とはニューヨーク・コスモスでチームメイトだった。1977年7月にともに入団し、3年後に一緒に退団した。(コスモスで同じ試合数・ちょうど80試合をプレーした)

 その後もコンタクトを取り続け、私の生涯の中でも最高の友だちの1人だった。当時は時間が空いたときにふたりでセントラルパークのカフェに行き、摩天楼を見ながらどうすればこの世界を変えられるかを長い時間話し合った。そこから友情が芽生えて、私にとって彼は兄のような存在だった。数年前(2016年)に訃報を聞いたときは心が痛んだよ。

――プレーでは彼のどこを評価できますか?

ベッケンバウアー 生まれながらのポジション感覚があった。試合でも練習でも、相手のアタッカーに対して彼が間違った位置取りをすることは絶対になかった。1970年のW杯では守備で卓越していただけではなく、攻撃の場面でもセットプレーで彼は脅威だった。ヘディングが強く、空中戦はほとんど負けない。すべてにおいて完璧で、才能に溢れるとともに勤勉でもあった。常に全力を尽くしてひとつの時代を作りあげた。

【続きを読む】「彼には驚かされた」ベッケンバウアーが明かす、全盛期の自分を思い出した“大好きな現役選手”とは?

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