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「不器用なんですよね」と言いつつも…巨人・丸佳浩、“リーグ6連覇”へ「全ての数字」で目指す高い目標とは 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byNanae Suzuki

posted2021/01/22 11:03

「不器用なんですよね」と言いつつも…巨人・丸佳浩、“リーグ6連覇”へ「全ての数字」で目指す高い目標とは<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

個人としてはセ・リーグで5連覇中の丸佳浩。日本一奪還のためにも、今季は「出塁率」にこだわる

「あまり子どもたちにはおススメできない打撃フォームかも知れませんよね。あれだけ大きくヒッチ(トップを作る前段階において、グリップを一度下げる動作)するのは(笑)。(1)でバットを一塁ベンチ方向に寝かせ、(2)でグリップ位置を一気に下げ、右足を上げる。(3)で右足を前にステップさせ、グリップ位置を上げて捉えにいく……そんなイメージです。スイングの感覚はチャレンジした直後は悪くありませんでした。

 ただ、相手投手がクイックしたり、変則モーションだった時にタイミングをどう合わせるか、ここがポイントでした。ヒッチのさせ方や足の上げ方などを工夫しながら、ようやく今に辿り着きました」

 16年以降は打率3割を2度記録した。20本塁打は5年連続達成、18年にはキャリアハイとなる39本塁打。長打率は5割以上が3回、18年には6割を大きく超えるなど、近年は長距離打者とも言える数字を叩き出している。

丸が一番こだわる「出塁率」

「僕が一番大切にしている数字は出塁率で、4割は超えていかなければならないと思っています。打率3割を超えたら、プラス1割の数字が出塁率というのが理想。20年シーズンは1年を通して、ボールを打ちにいってしまった。ボールを待ち、見極めるということがなかなか出来なかった。シーズン後半はボールを少しずつ待てるようになり、出塁率が上がっていきました。今季はどれだけボールを待てるか。それができればおのずと出塁率は上がってくると考えています」

 もちろん、出塁率以外の成績にも目を向けている。すべての数字がリーグ3位あたりに入ってくることを目指すとも語る。

「突出した数字ではなく、すべての数字がバランスよく高水準にあることが理想です。そして、何といっても出塁率を意識したい。どれだけ四球を選べるかもポイントですよね」

通算1500安打に迫る2021年

 通算1500本安打まであと145本、プロ14年目のシーズンを迎える31歳。

 打撃習得に時間をかけ、3割に辿り着いた若き日々。さらなる進化を求めて打撃フォームを一気に変えるという賭けに出た20代後半。時間をかけながらも見事に自らの形を掴んだ30代。成熟の域に入った丸が、“ボールを待てる自分”を身体にインプットさせたとき、球史に残る数字を叩き出す。そうすれば自ずと“6連覇”が見えてくるに違いない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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