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京成杯優勝のグラティアスがルメールのクラシック戦線パートナーに? 「フラフラしたけど楽勝でした」
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramastsu
posted2021/01/20 17:00
1月17日の京成杯を制したグラティアス。ルメール騎手の信頼も勝ちえた
タイムトゥヘヴンが内を開けて走ったのと対照的に
レースはミルコ・デムーロ騎手を乗せたそのタイムトゥヘヴンが最内1番枠を利して逃げる形で幕を開けた。グラティアスはスタート直後、5番手くらいの位置取りだったが、3番枠という事で最初のコーナーをインコースで回ると、向こう正面に入った時には自然と3番手に進出した。結果的に前半1000メートルの通過ラップが63秒7と完全に遅い流れになったので、両頭は共に絶妙の位置でレースを進めた事になる。
3~4コーナー、馬場の傷みを気にしたのか、デムーロ騎手操るタイムトゥヘヴンが少し内を開けて走ったのとは対照的に、終始インにこだわる手綱捌きを見せたのがルメール騎手だ。1~2コーナーでコーナーリングを味方に番手を上げたのと同じように3~4コーナーも最内のコースを回ると直線の入り口ではこれまた自然と2番手に進出。逃げるタイムトゥヘヴンとほぼ並びながら直線へ向いた。ルメール騎手は言う。
「固い馬場を気にせずに走ってくれるタイプだし、まだキャリアが浅くてモノ見をするのであえて内ラチ沿いを走らせました。結果的にうまくインが開いてくれて良い形になりました」
「アッという間に抜け出してしまいました」
最後の直線、マイペースに持ち込んだタイムトゥヘヴンはなかなか止まらずほとんどの馬を完封してみせたが、ただ1頭、グラティアスだけが内からタイムトゥヘヴンをかわして抜け出した。結果、2分03秒1の時計で真っ先にゴールに飛び込んだのはグラティアス。2馬身半遅れの2着がタイムトゥヘヴンで、3着のテンバガーはそこから更に1と4分の1馬身離されての終戦となった。
勝利ジョッキーのルメール騎手は言う。
「跳びの大きな馬なので、考えていた以上に反応が良かったです。もう少しゆっくり先頭に立つ形で、と思っていたけど、アッという間に抜け出してしまいました」