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“借金処理”の確執も超えて…桑田真澄コーチ就任のウラにある原辰徳監督の“聖域なき改革”とは

posted2021/01/13 17:30

 
“借金処理”の確執も超えて…桑田真澄コーチ就任のウラにある原辰徳監督の“聖域なき改革”とは<Number Web> photograph by SANKEI SHINBUN

原辰徳監督(左)と並んで会見に臨んだ桑田真澄一軍投手チーフコーチ補佐

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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SANKEI SHINBUN

 異例の人事と言ってもいいだろう。

 巨人が1月12日にOBで解説者の桑田真澄さんの一軍投手チーフコーチ補佐への就任を発表した。

 普通ならば昨シーズン終了後に確定するはずのスタッフ人事。それが年も明けキャンプインを3週間後に控えたこの時期の異例の発表となった経緯を、原辰徳監督はこう説明した。

「昨年暮れの12月28日、最後に(山口寿一)オーナーと話をしました。その時にジャイアンツOBで非常に気になる後輩がいる、と。ぜひ巨人のために、巨人はもちろん全てに於いて戦力になってもらいたい人がいる、と。それが桑田真澄でした」

 そこで山口オーナーの了承を得て、年明けの1月5日に桑田さんと直接会って、就任を要請。本人も快諾して、異例の就任発表へと漕ぎ着けたという流れだった。

 ただ、異例というのはこの就任時期の問題だけではない。

義兄の投資失敗で作った借金の処理を……

 実は長年、巨人の取材をしてきて、桑田さんがこのチームのユニフォームを着るのはなかなか難しいだろうと思っていた。

 桑田さんには現役時代に義兄の投資失敗で作った借金の処理を、親会社の読売新聞社が行なった経緯があった。しかしその処理を巡って渡辺恒雄現読売新聞グループ本社代表取締役主筆との間に確執が生まれ、少なくとも渡辺氏の目の黒いうちは、巨人のユニフォームを着る機会はないという話を聞いたこともあった。

 そして現役時代の2006年には当時、2度目の監督をしていた原監督に事前の報告もなく、突然球団ホームページ上の自身のコーナーで退団を発表。そこから2人の間には大きな溝があったのは紛れもない事実でもある。

 それだけにいま、この時期に桑田さんが原監督の下でコーチ就任するという事実に、正直、驚きは隠せない。

【次ページ】 原監督は「決して感情で決断はしない」

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