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福島県“最強”の聖光学院で「野手歴代1、2を争う逸材」 それでも監督の本音は「高卒プロは早すぎる」

posted2021/01/12 17:00

 
福島県“最強”の聖光学院で「野手歴代1、2を争う逸材」 それでも監督の本音は「高卒プロは早すぎる」<Number Web> photograph by Genki Taguchi

聖光学院で1年生の秋からレギュラーに君臨する坂本寅泰

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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Genki Taguchi

 名は坂本寅泰という。

 5歳上の兄は龍一。40代以降であれば、ここでピンとくるだろう。兄弟とも日本を代表するミュージシャンと同じ名を持つ。

「布袋寅泰が由来なんです」

 かつて、弟はそう説明していたが、実際には本人による脚色があった。

「本当は兄に『龍』の字があるんで、自分には『寅』を入れたかったみたいで。布袋寅泰さんを出させてもらっているのは、兄もミュージシャンと同じ名前だったからです。それを親に伝えたら、最初はビックリされましたけど『まあ、いいんじゃない』って」

「野手では歴代で1、2を争う」

 屈託のない笑顔を見せる青年は、1年生の秋から強豪・聖光学院でレギュラーに君臨する。昨夏の福島県と東北の独自大会では下級生で唯一のベンチ入りを果たし、2年生ながら3番打者としてチームの“東北一”に貢献した。

 高校通算本塁打は昨年時点で26本。

 すでにプロのスカウトがマークしており、今年「ドラフト候補」としてリストアップされる可能性が高い好打者である。

 坂本の能力の高さは、聖光学院をこの20年で春夏通算21回の甲子園へと導いた、斎藤智也監督も認める。

【次ページ】 「風呂場の鏡で自分の体を見ると…」

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