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【涙の高校サッカー選手権】1年に正GKを奪われた“J内定3年”の葛藤、「楽しそうにサッカーやるヤツら」への反抗心
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKazuaki Nishiyama
posted2021/01/09 06:00
伝説となった1997年度の東福岡vs帝京「雪の決勝」。帝京は金杉のゴールで先手を取ったが……
<名言2>
インターハイに出られない一方で、“フットサルで日本一を取った”っていうのはすごく自信になりました。
(晴山岬/NumberWeb 2019年1月13日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/833161
◇解説◇
ここ近年、高校サッカー北信越の雄として存在感を放っているのが、新潟の帝京長岡だ。2019年度には晴山、谷内田哲平ら後のJリーガーを軸にした小気味いい攻撃スタイルで、初の全国4強進出を成し遂げた。
実はその前年から、帝京長岡躍進の気配は漂っていた。特に晴山は2018年度の選手権で2年生エースとして、4ゴールを挙げる活躍でチームをベスト8に導いていた。それ以外にも1つ、ユニークな“勲章”がある。
「全日本U-18フットサル選手権」で優勝とMVPを掴み取っていたことだ。
実はこの年の帝京長岡は、夏の一大目標となるインターハイに出場できなかった。6月の県大会決勝でPK戦の末に敗れたのだ。この失意からいかに立て直すか……というアプローチで、帝京長岡は従来の学校と少し違う道を選んだ。
「全国優勝という結果が自信につながった」
それはインターハイと同じ8月開催の「全日本U-18フットサル選手権」に、フルメンバーで出場したこと。そこで帝京長岡は同大会でグループリーグ3試合で20ゴール、決勝トーナメントでもゴールを量産するなど圧勝を積み重ねる。決勝戦も5-1で制し、2年ぶり2回目の優勝を果たしたのだった。
「『全国優勝』という結果がみんなの自信につながったのかなと。もしインターハイに出ていたら、たぶん全日本フットサルはフルメンバーで行けなかった。そこで頭を切り替えて、優勝しきれた。それがチームの勢いになったし本当に良かったと思います」
晴山はこのようにも語っていたという。