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白血病に打ち勝った池江璃花子「大丈夫、いつか終わる」 桃田賢斗「もう辞めます」からの逆襲【絶望から復活の名言】
posted2020/12/30 11:05
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
REUTERS/AFLO
雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は2020年に池江璃花子、内村航平、桃田賢斗の“復活したアスリート”にまつわる3つの言葉です。
<名言1>
ポジティブな方の心が、辛い心を包んでくれて、感じないようにしてくれていたのだと思います。
(池江璃花子/Number1007号 2020年7月16日発売)
◇解説◇
2019年2月8日、日本列島に衝撃が走った白血病公表――。
闘病生活を経ての退院から7カ月。日本競泳史に残るマルチスイマー池江はプールに戻ってきた。
当初は1日1回の練習にとどめていたとはいえ、すでに「一番減ったときと比べて、体重は5kgくらい戻ってきている」と、アスリートとしての肉体を取り戻しつつある。
抗がん剤治療や手術と向き合った入院中は、「体調が悪くてずっとトイレに籠もりきりのような時も、“大丈夫、いつか終わる”と自分に言い聞かせて、負けてたまるかという気持ちで闘っていました」と、少しでも希望を忘れず日々を過ごしていたという。
厳しくつらい日々を乗り越えた池江。彼女だからこそ語ることができる、重みのある言葉だ。
そして2020年8月29日、東京辰巳国際水泳場に池江は戻ってきた。1年7カ月ぶりの公式戦、プールでの練習再開からわずか5カ月の期間で東京都特別水泳大会にエントリーしたことだけでも感動的なのに、10月の日本学生選手権の50m自由形決勝で4位に入るなど、潜在能力が特大であることを示したのだ。