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「誰も僕を止められない。そんな世界一のプレーヤーに」水球・稲場悠介が見据える東京五輪の目的とは

posted2020/12/16 11:02

 
「誰も僕を止められない。そんな世界一のプレーヤーに」水球・稲場悠介が見据える東京五輪の目的とは<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

水球・稲場悠介は東京オリンピックでの勝利の先を見つめている

text by

田坂友暁

田坂友暁Tomoaki Tasaka

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Kiichi Matsumoto

「ボールを持ったら、日本だろうと世界だろうと、誰も僕を止められない。そんな世界一のプレーヤーになりたい」

 小学1年で水球を始めた少年はずっとそう公言してきた。そして言葉通りの行動力で、高校2年時に強豪国のモンテネグロでプレーするチャンスを得ると、迷いなく飛び込んだ。

 そこで学んだプロフェッショナル精神は、目に見える成果として現れた。翌年、高校3年でシニア日本代表のメンバー入りを果たすと、世界4大大会のひとつであるFINAワールドリーグスーパーファイナルと、アジア競技大会で得点王を獲得。さらに'19年のFINA世界ジュニア選手権でも得点王に加えてMVPにも輝いた。

 '18年秋から2年間は、ルーマニアのプロリーグでプレー。世界での経験を潤沢に積み、勢いに乗って迎えたかった東京五輪だが、1年延期に。「残念でしたけど、しかたない」と気持ちをすぐに切り替えられたのも、プロリーグでの経験があったから。それに、1年延期になったことで、今シーズンからは世界最高峰と名高いイタリアの水球セリエA1でプレーできる最高のチャンスを得た。

イタリアでのプレーは、プラスにしかならない

「フィジカル、テクニック、メンタルのどれを取っても一級品。イタリアでのプレーは、僕にとってプラスにしかならないんです」

 11月には本格的にチームに合流する。ここでのプレー経験は、彼が目指す『世界ナンバーワンプレーヤー』という夢の実現への第一歩になることは間違いない。自分の成長は、東京五輪における日本チームの活躍、そして、日本における水球の発展にもつながると話す。

「イタリアでの経験をチームと共有したり、僕自身が今よりももっと成長したりできれば、もっと日本が勝つ確率が上がる。日本が勝ち進めば、水球を見てくれる人も増えるし、もっと面白さも分かってもらえると思うんです。そのためにも、1年延期になってできたこの時間を有効利用して、今まで以上にパワーアップして東京五輪を迎えたい。そして、五輪という舞台で自分がボールを持った瞬間に、見ている人にワクワクしてもらえるような、そんなプレーを見せたいですね」

稲場悠介Yusuke Inaba

2000年4月11日、富山県生まれ。新潟産業大学・ブルボンウォーターポロクラブ柏崎所属。兄、姉、妹も水球選手で兄、姉は日本代表経験を持つ水球一家。今年からイタリアに渡りセリエA1のSCクイントでプレー。180cm。

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