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チーム全員が全力ディフェンス…“脇役“が輝くサンロッカーズ渋谷の天皇杯連覇はなるか
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2021/01/02 11:01
チームのキャプテンを務めるベンドラメ礼生。12月20日の広島戦ではプロキャリアハイとなる14アシストをマーク
天皇杯の3次ラウンドでアルバルク東京と
そして浜中ACも見事に重責を全うし、チームに連勝をもたらした。
本人は「この結果は組織としての強さ。選手、コーチ陣、サポートスタッフの総合力で、普段は起こり得ない状況に立ち向かっていったことが嬉しいです」と謙遜するが、「伊佐から『好きなようにやっていいよ』という肩の荷が下りるような言葉がけをいただいて、サンロッカーズの良さを残しつつ、型にはまらずに指揮できた」と柔軟に采配を振るえたという感触もあったようだ。
いずれにせよ、指揮官不在の難局を乗り切ったことは、“脇役”の存在が不可欠であることを改めて証明する格好となった。
冒頭で触れたように、SR渋谷は昨年1月12日に天皇杯優勝を果たした。それから367日後の2021年1月13日には、連覇をかけて天皇杯の3次ラウンドに臨む。相手はアルバルク東京。Bリーグで連覇を達成している“王者”であり、SR渋谷にとってはなかなか勝つことができていない難敵だ。
第2戦は104失点を喫して敗れた
そのA東京との今シーズン初対戦が、天皇杯に先駆けて12月12日・13日にあった。結果は1勝1敗。第1戦は接戦の末に2点差で勝ち切ることができたものの、第2戦は104失点を喫して敗れた。
千葉ジェッツから移籍して2年目の石井講祐は、かつて2度も目の前でリーグ制覇を許した相手とあってこの結果に悔しさをにじませているかと思いきや、その心中にあったのはA東京への対抗意識や個人5連覇がかかる天皇杯への想いではなく、自分たちの成長だった。
「簡単に連勝させてくれない相手で、そこを超えていかないと本当の強さを手に入れられない。1月の対戦までに、1つ1つの試合を通してタフなチームに成長していければと思います。天皇杯のことは意識せず、まずは週ごとにその時の対戦相手に集中しています」