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チーム全員が全力ディフェンス…“脇役“が輝くサンロッカーズ渋谷の天皇杯連覇はなるか
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2021/01/02 11:01
チームのキャプテンを務めるベンドラメ礼生。12月20日の広島戦ではプロキャリアハイとなる14アシストをマーク
大事なのは自信を失わないこと
石井がチームの成長過程にフォーカスするのは、自身も千葉で天皇杯3連覇や2シーズン連続リーグ準優勝といった結果を残してきた経験からくるものだ。千葉がリーグ屈指の強豪へと進化を遂げる道のりをその一員として歩んできた石井は、今のSR渋谷にもその道のりに通じるものを感じている。
「必要なステップを着実に踏んで、出た課題をみんなで話し合い、言語化して認識するという作業を繰り返しています。A東京に1つ勝てればいいというのではなく連勝しようというメンタルで臨むこともできていて、そういう意識が上がってきているのは強いチームになる上で良い傾向だと思います。
大事なのは自信を失わないこと。自分たちを信じて、スタイルを築き上げていくマインドができてきた。千葉とは違うチームなので全く同じというわけではないんですが、そういう必要な過程は踏んできていると思います」
「誰でも準備をすればチャンスをもらえるので」
チーム在籍歴が最も長い広瀬健太も、今のSR渋谷には良い雰囲気が生まれているという実感がある。そしてそれは、SR渋谷の基盤として伊佐HCが実践するタイムシェア戦略にも起因している。
「外国籍選手も日本人選手もバスケットボールに真摯に取り組む選手が多いですし、コート外でもオフコートキャプテンの山内(盛久)を中心に、今はみんなで食事に行くことも難しいですが、限られた中でもコミュニケーションを図ろうとしていて、雰囲気はすごく良いと思います。
天皇杯優勝とか、そういう成績面の影響ももちろんありますが、誰でも準備をすればチャンスをもらえるのでポジティブに取り組める。ミスがあっても挽回できるチャンスがあるので、タイムシェアをすることで良い影響が出ているのかなと思います」
「結-FIGHT AS ONE-」のスローガンの下、戦う集団となった2020年。上昇ムードで新たな年を迎え、その始まりにA東京を撃破して天皇杯連覇への道を歩み続けることができるか。