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【ベンゲル独占インタビュー】日本への敬意 Jでの監督生活は「腰掛けなどではなかった」と強調するワケ
text by
フィリップ・オクレールPhilippe Auclair
photograph byGetty Images
posted2021/01/05 11:01
独占インタビューに応じてくれたベンゲル。四半世紀前に名古屋で見せたサッカーは鮮烈の一言だった
――すでに豊かな国際経験の持ち主ではあっても、名古屋の監督になるまでは、仕事でもプライベートでもフランスがベース。さすがにカルチャーショックを受けたのでは?
W:確かに、まったく別世界ではあったが、ショックではなかった。そういう世界が自分を待ち受けている前提の下で、日本で監督する決心をしていたのでね。パートナーだったアニーとも出会ってからあまり時間が経っていなかったので、日本で一緒に暮らすことはできなかった。彼女はバカンスのときに合流するだけで、普段は名古屋市内のこぢんまりとしたマンションで独り暮らし。
外の景色も、窓の外は地中海というモナコでの環境から一変したよ。名古屋と、続くアーセナルで私の右腕になってくれた、ボロ・プリモラツという独身生活の相棒はいたが、それは事前にアレンジされていたわけではなかったんだ。
たまたま同じようなタイミングで日本にいたことがきっかけだった。私自身は、身の回りの空気を一新する必要性を感じていたのだとも思う。昔から異文化に対する好奇心も旺盛だったから、1人の人間としても、またとない機会を名古屋に与えてもらったわけだ。名古屋と自分がフィットするという直感もあった。
(後編に続く。関連記事からもご覧になれます)