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渋野日向子の戦いを米ベテラン記者はどう見た?「ナーバスになっていたと言っていたが…」
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byGetty Images
posted2020/12/15 18:00
全米女子オープンで優勝争いを演じた渋野日向子。史上初のメジャー2勝目とならなかったが、確かな成長を見せた大会でもあった
「絶対ここでまた戦いたい」
午前中の最低気温は約6℃。初日と比べて5℃以上も冷え込んだ。冬の寒さや最終組というプレッシャーは、渋野のプレーを狂わせた。今大会初めてショットやパットが乱れ、ついに10番で首位の座を譲った。最終的に2バーティ、5ボギーと3つスコアを落とし、キム・アリム(韓国)に逆転優勝を許した。
「寒さや(最終日の)緊張感の中で、自分のしたいスイングやゴルフが全くできなかったです。ボギーをとった後に(気持ちが)“ずん”ってなったまま、次のホールに向かって行ってしまったり、気持ちも切り替えづらかったです」
今大会を終えて、アメリカで戦いたい気持ちがますます強くなった。
「結局、この悔しい気持ちはアメリカツアーでしか晴らせないので、絶対ここでまた戦いたいなと思います」
ヒューストンの冬空の下、22歳は雪辱を誓った。
「たられば」を言っても仕方ないが
例年通りなら、ノンメンバーが賞金ランク40位内に入ると、最終予選会を受けずにシード権を得られる。今週の渋野が手にした賞金額は、$266,779(約2770万円)。今年の年間賞金ランキング40位とだいたい同額である。夏に数試合、出場していたことを考慮すると「たらればを言っても仕方ないのですが、例年通りなら、渋野は来季から米ツアーに参戦できる権利を得ていたと思います」とニコルスは残念がった。
「試合後に渋野はナーバスになっていたと言っていましたが、大舞台で輝いていました。人を惹きつけるし、勝負強い選手だと思うので、アメリカへ来るのが待ち遠しいです」
コロナ禍の影響で厳しいニュースが多い中、渋野日向子の活躍は明るく嬉しい話題だった。
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