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渋野日向子の戦いを米ベテラン記者はどう見た?「ナーバスになっていたと言っていたが…」
posted2020/12/15 18:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Getty Images
今季最後の海外メジャー『全米女子オープンゴルフ』(以下、全米女子)で、渋野日向子は通算1アンダー、単独4位でフィニッシュした。最終日を首位で迎え、日本人初となるメジャー2勝目を期待されたが、「悔しいけど、悔いはない」と気丈に振る舞った。
ゴルフ取材歴約18年を誇る、米国ゴルフ雑誌『ゴルフウィーク』シニアライターのベス=アン・ニコルスは、渋野のプレーを「ガッツがあった」と讃えた。
「最終日はちょっと崩れましたが、全体的にショートゲームが良かったし、ここは決めたいという場面でショットやパットも冴えていて、見事でした」
耐えるゴルフが求められた全米女子
全米女子といえば、距離が長く、タフなコースセッティングが多いことで知られている。しかも、今年は新型コロナウイルスの影響で12月に開催時期を変更したことで冬の日照時間を考慮して史上初の2コース開催。さらに日本勢は史上最多の19選手が出場するなど、イレギュラーなシーズンを象徴する大会となった。
今年の舞台はテキサス州にあるヒューストン・チャンピオンズGC。どちらのコースも約半数のホールにウォーターハザードがある難コースだった。
「本来なら、夏のコースはラフが深くて厄介です。今週はラフは短かった分、ショートゲームが試されました」(ニコルス)
必然的に、選手は耐えるゴルフを要求された。
しかし、それを理解していたとしても、攻略する技を身につけていなければ戦えない。「転がして寄せるショットも、ねちっこくて湿った芝から打つロブショットもうまくて」とは、海外メジャー初挑戦となった原英莉花の言葉だ。試合前の練習場で米ツアー通算1勝のリゼッタ・サラス(米国)の多彩な“アプローチショット”に見入ってしまった。
「インパクトで(どのショットでも、クラブフェースが)球にしっかりと当たっていて、すごく勉強になりました」
原は19オーバー、152位で予選落ちを喫し、海外勢との技の引き出しの差を実感した。