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引退・五郎丸歩、“南アフリカ撃破”につながる19歳時の自分への厳しい評価とは【名言】
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byTamon Matsuzono/Getty Images
posted2020/12/10 06:00
早稲田大学時代からスター性にあふれていた五郎丸歩。2015年ラグビーW杯での大活躍は今もなお鮮明だ
南アフリカ戦勝利後、4年後のW杯の予言
<名言2>
これは奇跡じゃなく必然です。ラグビーには奇跡なんてありません。
(五郎丸歩/Number887号 2015年10月8日発売)
◇解説◇
2015年ラグビーW杯で、日本は南アフリカを34-32で下すというジャイアントキリングを達成した。「ラグビー史上最大の奇跡」と世界中が驚いたが、当の選手たちは3年半に及ぶ激しいトレーニングを通じて、「南アに勝てる」と確信していたのだ。
大会後、五郎丸はルーティンとして定着したキック前の指組みポーズが大流行するなど一躍時の人となった。その一方で、この年にはこのような興味深いコメントを残している。
「4年後はW杯が日本に来るし、今回はラグビー界にとってすごく大事な大会だけど、僕はラグビーだけでなく、日本のスポーツ界全部を変えるチャンスだと思う」
次回W杯の日本開催が決まっていたこともあり、2015年W杯がラグビーを認知させるきっかけになると展望していたのだ。
2015年から4年の時を経てのW杯――。五郎丸は代表メンバーにいなかった。それでもリーチマイケルや堀江翔太、そして稲垣啓太、福岡堅樹、姫野和樹、松島幸太朗らが奮闘し、日本史上初となる決勝トーナメント進出を果たし、列島中が熱狂した。