ロティーナ「才能よりも大切なこと」

＜名言4＞
成長は継続性から生まれます。大きな成果は、1カ月や1年では到底つかめません
（ミゲル・アンヘル・ロティーナ／NumberWeb 2018年12月13日配信）
https://number.bunshun.jp/articles/-/832819

◇解説◇

　現在、久保建英が在籍するビジャレアルやセルタ、エスパニョールなど、リーガ1部で複数のクラブを率いていたロティーナが日本へやってきたのは2017年。J2で下位に低迷していた東京ヴェルディを堅実なサッカーで蘇らせると、すぐにJ1昇格プレーオフに参戦するまでに躍進させた。翌年もJ1参入プレーオフを勝ち進み、悲願の昇格まであと一歩のところまで迫ってみせた。

「残念ながら、夢は叶えられませんでした。ただ、目標に向かう過程は美しいものだったと思います」

　最後は涙を流しながらチームを離れたが、誰に対してもフラットに見る指導や豊富な経験から紡ぎ出される言葉は教養に富み、多くの選手たちが飛躍を掴むきっかけになった。

「才能やタレント性は重要ですが、同時に姿勢や取り組み方が大事になってきます。生活面を含め、いかに自分を管理できるか。よりサッカーが巧くなりたいと欲すること、望み続けることが大切です」

東京ヴェルディ時代、J1参入プレーオフ進出を決めて喜びロティーナ監督　（c）Getty Images

　19年から監督に就任したセレッソ大阪でも上位争いをするだけでなく、J2から個人昇格した坂元達裕、五輪代表にも名を連ねる瀬古歩夢らの成長に寄与。今季は川崎にこそ独走を許したが、クラブ歴代最多勝ち点63に迫るシーズンを過ごしている。

「大事なのは、選手です。そこにどんな選手がいて、トレーニングしたいと思えるか。いくら条件のよいオファーであっても、魅力的な選手がいなければ私はその仕事を受けません」

　今季限りでC大阪を退任。このまま日本を去るのか、来季も別のJクラブを率いるのか。ロティーナから学ぶことはまだたくさんありそうだ。