「まるでバルサのようだ」

＜名言3＞
サッカーはお前らがやるものだ。絶対にやらされちゃいけない。やらされるんじゃない
（風間八宏／Number803号 2012年5月10日）

◇解説◇

　かつて率いていた筑波大学蹴球部監督時代の言葉だ。「まるでバルサのようだ」と称される革新的なパスサッカーを根づかせた風間は当時から選手たちの意志を何よりも尊重した。いわゆる“ゆとり世代”と呼ばれた若者たちを、「大事なことを無視して余計なことばかり考えすぎてしまっている感じがある」と分析。情報過多になることを危惧したのだった。

「学生には、ヒントを与えたうえで『俺の言うことなんか聞かなくていい。もっと違うプレーで俺を驚かせてみろ』と言う」

筑波大監督時代の風間八宏　（c）Nanae Suzuki

　その操縦術はフロンターレでも大いに発揮された。今や王者の風格さえ漂うフロンターレだが、その礎を築いたと言えるのは2012年から5シーズンに渡って攻撃スタイルを構築した風間だろう。タイトルこそ縁がなかったが、価値観を一変させる攻撃サッカーは選手個々のレベルも大きく引き上げた。

　来季からは育成型クラブ再建を掲げるセレッソ大阪で指導者の育成へアプローチしていく。風間イズムで磨かれた子供たちが将来どんなプレーを見せるのか、今からもう楽しみで仕方ない。

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