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本田圭佑ポルトガル移籍の噂&退団騒動を整理 「とっとと出てけ」の声を黙らせるためには…
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2020/12/08 11:02
フラメンゴ戦で先発出場した本田圭佑。ボタフォゴファンを歓喜させる日は来るのか
新監督は、本田を右MFとして起用した。チームは引き分け後、強豪パルメイラスに快勝し、さらに本田のミドルシュートによる得点などで連勝して順位を13位まで上げた。
ところが10月27日、コパ・ド・ブラジルのラウンド16第1レグで本田の中盤での不用意な横パスを奪われ、ミドルシュートを決められて敗戦。翌日、クラブはラザローニ監督を解任した。在任期間は、わずか28日だった。
カップ戦敗退で風当たりが強くなり始めた
以後はGKコーチが監督代行を務め、31日のリーグ第18節は本田がPKを決めたが引き分け。11月3日、コパ・ド・ブラジルのラウンド16第2レグで引き分け、敗退が決まった。
「今季、現実的に唯一、タイトル獲得の可能性があった」(地元メディア)カップ戦で敗退したことで、地元メディアとサポーターからクラブ首脳と選手への批判が強まる。敗戦につながるミスを犯した本田に対しても、厳しい声が出始めた。
ボタフォゴ愛ゆえのクラブ再建案も
5日、ボタフォゴは元アルゼンチン代表FWで、かつて横浜マリノスにも在籍して1993年のJリーグ初代得点王となったラモン・ディアスを新監督に招聘する。
その翌日、本田はツイッターで財政難に喘ぐボタフォゴの再建案を発表した。欧州であれば反発を招きかねない行為だったが、「ボタフォゴ愛」を強調したことで地元メディアとサポーターからは好意的に受け止められた。ただし、クラブ首脳はこの案に賛同した節はない。
この2日後、本田はアウェーゲームに同行せず、チームは敗れて順位を17位まで落とした。地元メディアは「クラブ再建案をぶち上げた男がその直後の大事な試合を欠場したことにチームメイトの多くが憤っている」と伝えた。
ディアスは10日に入団会見を行なったが、喉の腫瘍を摘出する必要があることが判明。母国で手術を受け、療養生活に入った。息子のエミリアーノ・コーチが監督代行を務めたが、3戦全敗。27日、クラブは就任後わずか22日でディアス監督を解任し、エドゥアルド・バロッカを新監督に招聘した。
これを知った本田は、ツイッターでまず「アンビリーバブル」とつぶやき、「もし彼らが近日中に僕を納得させられなければ、出ていくことを考え始める」と英語でコメントした。