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チャンピオンズカップ、“砂のアーモンドアイ”クリソベリルは「一強」だが…気になる“3歳の大物”も
posted2020/12/05 17:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
JIJI PRESS
この秋のGI戦線は、史上初めて3頭の三冠馬が対決した先週のジャパンカップを除き、すべて「一強」の構図になっている。
今週の第21回チャンピオンズカップ(12月6日、中京ダート1800m、3歳以上GI)も、そうだ。
「ダート界の絶対王者」とも言われているその一強は、連覇を狙うクリソベリル(牡4歳、父ゴールドアリュール、栗東・音無秀孝厩舎)である。
サウジで負けたのが不思議なほどの強さ
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クリソベリルはデビューから6戦全勝で昨年のチャンピオンズカップを制覇。従来の記録を一気に1秒6更新する、1分48秒5というレースレコードでの優勝だった。
6戦無敗での古馬GI制覇は2002年のエリザベス女王杯を勝ったファインモーションと並ぶ記録。無敗でのJRAダートGI制覇は史上初という快挙であった。
そこから約3カ月ぶりとなったサウジカップでは14頭立ての7着に敗れたが、帰国初戦の帝王賞と、前走のJBCクラシックを完勝。国内での戦績を8戦全勝とした。
ここ2戦の強さは、なぜサウジで負けたのか不思議に思えるほどで、今後も日本で負けるシーンは想像しづらい。
これまでは最低でも2カ月は間隔をあけて使われてきたこの馬にとって、11月3日のJBCクラシックから約ひと月という短い間隔でレースに臨むのは初めてになる。それに関して音無調教師は、「調整しやすかった。休み明けではないので、一度使われた効果が出るかもしれない。今回のほうがいい感じになると思っています」と、むしろ好材料としてとらえているようだ。
叔父にジャパンカップダートを勝ったアロンダイト、全兄にジャパンダートダービー優勝馬のクリソライト、半姉にエリザベス女王杯と宝塚記念を制したマリアライトがいる、ダート適性も成長力も素晴らしいものを持った一族の出身。今なお、強くなっている真っ最中であることは間違いない。