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チャンピオンズカップ、“砂のアーモンドアイ”クリソベリルは「一強」だが…気になる“3歳の大物”も
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byJIJI PRESS
posted2020/12/05 17:00
11月3日、競馬JBCクラシックを制したクリソベリル。1カ月の短い間隔で出走するチャンピオンズカップに期待だ
展開不問で、どこからでもレースができ、勝つときは自然と後ろを突き放し、大きく負けたのは一度だけ――というあたり、アーモンドアイに通じるものがある。牝牡の違いがあるし、こちらも王座についた馬なので、こういう表現は適切ではないのかもしれないが、「砂のアーモンドアイ」と言っていいほど突出した存在だ。
15番という外枠はあまりいい材料ではないが、自分のすぐ内に何頭も前に行く馬がいるので、それらを先に行かせれば、ロスなく運べるはずだ。連覇の可能性はかなり大きいと見ていい。
クリソベリルを脅かすのは3歳の大物か
前述したように、クリソベリルは3歳だった昨年ここを制した。そして、一昨年ここを勝ったルヴァンスレーヴも3歳だった。
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今年も3歳の大物がいる。5戦4勝のカフェファラオ(牡3歳、父アメリカンファラオ、美浦・堀宣行厩舎)である。
2走前、圧倒的1番人気に支持されたジャパンダートダービーでは、1コーナー手前でバランスを崩し、逆手前でコーナーに進入するなどスムーズさを欠いて7着に惨敗した。
それでも、前走、古馬との初対決となったシリウスステークスでは、テン乗りのクリストフ・ルメールを背に、外から余裕を持って差し切り勝ちをおさめた。
堀調教師が「100mの距離短縮と、ジョッキーの連続騎乗はプラス材料」とコメントしているように、ルメールが乗ってくるというだけでも怖い。ここを勝てば今年GI9勝目となり、自身が2018年につくった年間GI最多勝記録を更新する。
前走の南部杯を勝ったアルクトス、3年前の覇者で、昨年2着のゴールドドリーム、高いレベルで安定しているチュウワウィザード、芝GIの勝ち馬だが、ダートでの走りが板についてきたタイムフライヤーなども上位候補か。
◎クリソベリル
○カフェファラオ
△タイムフライヤー
国内無敗の王者らしい走りを見せられるか
かつてのダート王ヴァーミリアンも、初めての海外遠征となったドバイワールドカップで4着に終わったが、管理した石坂正調教師は「海外に行ったことで強くなった」と話していた。
タフなダートでの戦いで王座を守り抜くには、旅をして、ときには負けることも必要なのか。
コロナのため、来年、サウジでのリベンジがかなうかは不透明だが、クリソベリルには、国内無敗の絶対王者らしい走りを見せてほしい。