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高橋大輔がアイスダンスデビュー! 樋口、坂本らの“3アクセル対決”など見所満載なNHK杯
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2020/11/27 11:35
前日練習で息の合った演技を見せた高橋大輔と村元哉中
ユは四大陸選手権で、キム・ヨナ以来の表彰台に
樋口は、ジャパンオープンでは片足で着氷(オーバーターン)、東日本選手権ではステップアウトと、いずれも成功は目前。「あとは強気で思い切り跳ぶだけ」と自信を強めている。河辺は、国内大会ではトリプルアクセルを降りたことのある16歳で、勢いがある。
ユは今年2月に韓国で行われた四大陸選手権で、韓国勢ではキム・ヨナ以来の表彰台となる2位。昨季から濱田チームに加わり、紀平のトリプルアクセルを間近で見ながらブラッシュアップしてきた。
今季も、同チームのジュニア女子らが「対ロシア」を意識してトリプルアクセルや4回転を練習するという、活気溢れる環境で練習している。9カ月ぶりの公式戦となる彼女が、どんな成長を遂げているのか注目だ。
男子は表彰台の行方はまったく読めない大混戦
男子は、プレ全日本選手権といえる戦い。今季からシニアに上がった鍵山優真、佐藤駿、“お兄さん世代”の山本草太、友野一希、田中刑事、さらには10月の全日本ジュニアで活躍した本田ルーカス剛史や三浦佳生らが出場し、表彰台の行方はまったく読めない大混戦だ。
男子は、海外のトップ選手と同様に、複数種類の4回転に挑むのが当たり前になってきている。最も多く4回転に挑戦するのは、佐藤。昨季のジュニアGPファイナル王者になった足がかりでもある、4回転ルッツが最大の武器となる。11月の東日本選手権でも片足で着氷し、調子は上向きだ。ショートで2本、フリーで4本の4回転に挑む。
「スケーティング技術や表現力では優真に及ばないので、だからこそ僕は4回転ジャンプに挑戦しないと」といい、鍵山よりも1本多く4回転を入れる構成だ。
その佐藤がライバル視する鍵山は、10月の関東選手権では、世界トップクラスに迫る287.21点を叩き出し優勝。その直後、異例のタイミングでフリー曲を変更した。
「僕の目標は来シーズンの五輪に出て勝つこと。その勝ちたいという意志が強かったので、挑戦として海外の振付師さんにお願いすることにしました。練習時間が無いのは覚悟の上で変えました」という。
結果、11月の東日本選手権はジャンプミスが相次いだが、「NHK杯ではしっかりとショート、フリーを演じたい」と誓っている。