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“バルサに染まらない”パサー、ブンデス最速の超大型WBって誰?【水沼貴史が選ぶ必見の10人】
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byGetty Images
posted2020/11/26 17:02
現在8位に位置するシュツットガルト。遠藤航の貢献ぶりにも注目だが、右サイドにいる大型ウインガーにも注目したい
ビッグクラブも狙う強靭センターバック
ディフェンダーの注目選手を挙げると、RBライプツィヒのウパメカノ。アフリカにルーツを持つフランス代表で、まだ22歳。3年前ぐらいからセンターバックとして定位置を掴んでおり、この年齢で多くの試合数をこなしている点でも今後の伸び代に期待できます。フィジカル、跳躍力、スピードがあるのは当然ですが、ライプツィヒみたいな組織的なチームの中でポジションを任せられるということは、それに値するだけの判断力があるのでしょう。インターセプトも半端ないので、予測する力が高いのかもしれません。ブンデスリーは身体能力だけで補えるようなリーグではないし、特に「デュエル」が一番求められる。多くのビッグクラブが狙っていることも頷けます。
好調レバークーゼンのイチオシ
ブンデスリーガのなかで個人的に気になっているチームが、8試合を消化した時点でリーグ3位につけるレバークーゼン。中盤に昔から好きなアランギスというチリ代表の選手がいることもあるのですが(笑)、中でも注目すべきは左サイドでプレーするムサ・ディアビ。彼はいいプレーヤーですね。フランスのアンダー世代の代表では10番を背負った実力者です。
ディアビの良さはとにかくボールに関わり続けること。ボールを受けようと動き回り、決して「ボールが来たら動きますよ」ではない。自分からいたるところに顔を出して、リズムを作ってくれる。ポジションも左サイドに固執せず、自由に中央へ侵入するので、ゲームメイカー的な役割も担っていますし、ドリブルやクロス、パスの質も高いです。
もう1人、フロリアン・ビルツというドイツの新星にも注目してください。2003年生まれで、まだ17歳。今は中盤のインサイドでプレーしていますが、トップ下など中央を主戦場とするタイプ。決してテクニシャンというわけではないのですが、しっかりと周囲に関わってハードワークする。派手さはないけど、とにかくちゃんとつなぐ選手ですね。それでいてゴールにも絡める。本当にまだ17歳なの?と思うほど総合力が高く、若手ながらピータ・ボス監督も使いやすいプレーヤーでしょうね。
昨季のリーグ出場は7試合、今季は序盤から出番をもらっています。競争は熾烈ですが、今シーズンである程度の経験を積めたら相当、良くなるだろうなと期待しています。