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名コーチがコロナで死去…悲しみのGPシリーズロシア大会は手術から復帰したコリヤダが優勝 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2020/11/24 17:00

名コーチがコロナで死去…悲しみのGPシリーズロシア大会は手術から復帰したコリヤダが優勝<Number Web> photograph by Getty Images

優勝した25歳のミハイル・コリヤダ

「復帰というのは、いつだって難しい」

 亡命した伝説のバレエダンサーであるヌレエフについて、どのくらい知っていたのかと質問すると「知識としては、知っていました。以前にワガノワスクールのバレエ博物館に行った時に、(ボリショイバレエのプリンシパルダンサーだった)ニコライ・ツィスカリーゼが衣装などを見せてくれました。でも自分なりに表現したいことがあり、それにこだわりました」と通訳を通してコメントしたコリヤダ。

「(ブランクを経ての)復帰というのは、いつだって難しい。この大会もハードだったけれど、楽しい試合でもありました。サポートしてくれたすべての人々に、感謝しています」と喜びを表現した。

2位はジョージアの25歳、クビテラシビリ

 2位は、ジョージアの25歳、モリス・クビテラシビリだった。

 エテリ・トゥトベリーゼコーチの門下生で、昨シーズンの欧州選手権銅メダリストである。SPでは4サルコウ+3トウループ、3アクセル、4トウループを完璧にきめて99.56でトップに立った。

 だが翌日のフリー「トスカ」では緊張したのか少し動きが小さく、後半の4トウループで転倒してフリーは176.24で4位。だが総合では275.80で2位になり、2シーズンぶりにこの大会で銀メダルを手にした。

「フリーでは完璧な滑りができなかったけれど、全体をまとめあげることができて良かった。これからも練習を続けて、次の試合ではもっと良い結果を出したいです」と感想を述べた。

3位は18歳の新星グメンニク

 3位に入ったのは、シニアGPデビューだった2020年世界ジュニア銅メダリストのピョートル・グメンニクである。

 18歳のグメンニクは、SPでは3アクセル、4サルコウなどノーミスで滑り切って96.26で2位に立った。フリー「オペラ座の怪人」では、冒頭の4サルコウはきめたものの、2度目の4サルコウと、途中のつなぎのステップで転倒があり、172.21で6位。それでも総合268.47で初のシニアGPメダルを手にした。

「初のシニア国際大会でメダルを取ることができて嬉しい。でもフリーはあまり良い滑りができなかったことは悔しいです。練習では普段ミスなくできているので、このミスを繰り返すことはないと思う」と次への自信をのぞかせた。

 4位は、SPできれいな4フリップを成功させた、2020年世界ジュニアチャンピオンのアンドレイ・モザレフ。2020年欧州チャンピオンのドミトリー・アリエフは全体的にジャンプが安定せずに、総合5位に終わった。

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ミハイル・コリヤダ
モリス・クヴィテラシヴィリ
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