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天才肌・佐藤駿が取り組んだ4回転ルッツ安定へのアプローチ。
posted2020/11/23 07:00
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Sunao Noto
「今まで6分間練習で4回転ルッツをやったことが無かった」
東日本選手権で、佐藤駿が語った一言に、耳を疑った。4回転ルッツといえば、昨季のジュニアGPファイナルで佐藤を王者へと押し上げた、切り札ともなる大技。基礎点は11.50点と成功者のいるジャンプのなかで最も高得点で、日本人の成功者は羽生結弦と佐藤のみ。勝負の1本にもかかわらず、最も重要なタイミングで練習せずに、本番で“イチかバチかの一発勝負”をしていたことになる。一体どういうことなのか。
佐藤は優勝候補の一角だった今年3月の世界ジュニア選手権で、ルッツを含む3本の4回転でミスをして6位。その原因を「6分間練習がうまく使えなかった」と話した。