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スコットランドではリバプールVSアーセナル…欧州各国で発生、超優秀SB“被り問題”の解決策とは
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2020/11/19 06:00
中堅国スコットランドが誇るロバートソン(右)とティアニー。左サイドバックが本職の2人だが、代表で共存する解決策とは……
俊輔を尊敬、ティアニーはアーセナルで台頭
そのロバートソンが追われたセルティックでトップチームに昇格し、昨季22歳でアーセナルに移籍したティアニーは負傷に悩まされる時期があったものの、今季はレギュラーとして活躍している。
日本ではかつてセルティック・パーク(セルティックの本拠地)でプレーした中村俊輔を敬愛していることでも有名だ。今年5月の『スカイ・スポーツ』によるインタビューでも、お手本とする選手で同じ左利きの中村を引き合いに出し、「彼のフリーキックはレベルが違った」と語ったこともある。
それにしても、お世辞にも強豪国とはいえないスコットランドにとって、彼ら2人のワールドクラスの選手がポジションを争うのは不本意だろう。
スペイン&フランスも名SBが多すぎ
左右1人ずつ、そしてディフェンスということで複数選手の併用が利かないサイドバック。そもそもこのポジションにおいてビッグネームが被ってしまうということは、各国においてそう珍しくない。
例えばスペインとフランスだ。
左右のサイドバックに加えてセンターバック起用にも対応でき、2012年から所属するチェルシーでは時にキャプテンも務めるセサル・アスピリクエタ。ただスペインにはダニエル・カルバハル(レアル・マドリー)とジョルディ・アルバ(バルセロナ)というラ・リーガ2大クラブのサイドバックが左右を牛耳っており、2018年W杯では出番が回ってこなかった。
現在セリエA首位のACミランでリーグ戦全試合に出場しているテオ・エルナンデスは、兄であり同じ左サイドバックのプレーヤーであるリュカ・エルナンデス(バイエルン)とのポジション争いを避けるため、出身のフランスではなくスペイン代表入りを目指して国籍取得を宣言したこともあった。
後に撤回し、改めてフランス代表を目指すことを表明したテオだが、2018年W杯制覇に貢献した兄の他にもフェルラン・メンディ(レアル・マドリー)、バンジャマン・メンディ(マンチェスター・C)、ルカ・ディニュ(エバートン)らと「1枠」を争うことになる。