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1383億円を10年でドブに捨てたマンU 器の小さいスールシャール&電話に出ない強化担当への疑問符
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/11/12 06:00
クラブのレジェンドであるスールシャール監督。マンチェスター・ユナイテッド再建は彼をもってしても無理なのか
スールシャール監督就任後の成績は……
そんな連中が強化部門を取り仕切っているのだから、7シーズンにわたってリーグ優勝を取り逃がしたのは当然だ。
しかも、オーレ・グンナー・スールシャール現監督は、経験も、知識も、カリスマ性も不足している。2019年3月28日の正式就任以降、プレミアリーグで53戦23勝15分15敗。勝点はわずか「84」である。
昨シーズンのリバプールは99ポイント、2017-18シーズンのマンチェスター・シティは100ポイント。彼らは38試合(1シーズン)でユナイテッドを凌いでいる。強化部門が機能せず、監督も力量不足では、まともに勝負できるはずがない。
ラッシュフォードはすでにエース格だ
だが、ユナイテッドは若い芽が育ってきた。マーカス・ラッシュフォード、メイソン・グリーンウッド、ディーン・ヘンダーソン、スコット・マクトミネイ、アクセル・トゥアンゼベなど、トップチームには数多くの下部組織出身者が顔を連ねている。
ラッシュフォードはすでにエース格だ。グリーンウッドはイングランド代表の合宿中に女性問題が露見したものの、ゴールゲッターとしての資質は誰もが認めるところ。そしてヘンダーソンはダビド・デヘアのポジションを脅かし、マクトミネイは中盤のセンター、アンカー、CBのマルチロールだ。また、トゥアンゼベはCLのパリSG戦で快足キリアン・ムバッペと同等の走力をみせ、世間をあっと言わせた。
今、リバプールの主力で下部組織出身者はトレント・アレクサンダー・アーノルドしかいない。シティもフィル・フォデン1人で、チェルシーのメイソン・マウントとタミー・エイブラハム、カラム・ハドソン・オドイは、今夏の大量補強によって昨シーズンほどは先発のチャンスを得られないだろう。
ユナイテッド同様に若手が芽吹いているのは、ブカヨ・サカ、ガブリエウ・マルチネッリ、ジョー・ウィロックなどを擁するアーセナルだけだ。カンテラのハイレベルを世界に轟かせたバルセロナでさえ、近年は即戦力の買いに奔走し、こんにちの低迷を招いている。