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相次ぐJリーガー不祥事 「ブラジル人選手のトラブルをどう防止する?」クルピ、代理人らに聞く 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2020/11/10 11:01

相次ぐJリーガー不祥事 「ブラジル人選手のトラブルをどう防止する?」クルピ、代理人らに聞く<Number Web> photograph by Getty Images

Jリーグで立て続けに起こった所属選手の不祥事。セレッソなどで指揮を執ったクルピ氏らに意見を聞くと……

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 ガンバ大阪のブラジル人FWアデミウソン(26)が10月24日の柏レイソル戦で決勝ゴールを決めた後、知人宅で会食。その後、車でミナミへ出て翌朝までクラブやバーで飲酒、食事をした。

 25日8時35分頃、車でクラブの練習場へ向かい、茨木市内の高速道路で他の車と接触。本人は気づかず運転を続け、練習に参加。11時30分頃クラブハウスを訪れた大阪府警に任意同行を求められた。

 警察署でアルコール検査を受けたところ、基準値を超えるアルコールが検出された。G大阪は26日、アデミウソンに謹慎処分を科したことを発表。捜査終了後、改めて処分を決定するという。

過去にも問題を起こしたブラジル人選手が

 上記3件に関係した4選手のうち、2選手がブラジル人。とりわけ、アデミウソンは名門サンパウロ出身でU-20ブラジル代表の経歴を持つG大阪の主力選手だ。

 日本で刑事事件は起こしてはいないが、過去、Jリーグではフッキ(2005、08年川崎フロンターレ、2006年コンサドーレ札幌、2007年東京ヴェルディ)やエメルソン(2000年札幌、2001年川崎F、2001~05年浦和レッズ)、エジムンド(2001~02年東京ヴェルディ、2003年浦和)ら練習への遅刻や欠勤といった問題行動を繰り返したブラジル人選手が少なくない。

 なおエジムンドは1995年にリオで自動車事故を起こして3人を死亡させており、エメルソンは出生証明書偽造が発覚して2006年にブラジル国内で逮捕されている。

 なぜ、ブラジル人選手はこれほど多くの問題を起こすのか。そこで、3人の識者に話を聞くことにした。

 1985年から2019年までブラジルの強豪クラブの監督を歴任し、Jリーグでもセレッソ大阪とガンバ大阪で計9シーズン監督を務めたレヴィー・クルピ氏、1984年から2002年までブラジルと日本でプレーし、現在は代理人として主にブラジル人選手をJリーグのクラブに紹介する橋本幸一氏、ブラジル出身だが日本の高校を卒業し、1990年代後半から2000年代前半まで東京ヴェルディでエジムンドらブラジル人選手の通訳を務めたレナト・デビット氏にそれぞれリモートで個別取材し、筆者が構成した。

【次ページ】 両国の仕組み、習慣を理解しないと

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