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2度目のBリーグ制覇に必要なものは? 宇都宮ブレックスに活性化もたらす新外国籍選手スコットとピーク
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byB.LEAGUE
posted2020/11/07 11:00
10試合を終えた11月6日時点で、ジョシュ・スコット(右)は平均22分3秒出場し、12.0得点、9.0リバウンド。LJ・ピーク(左)は15分48秒出場で7.5得点、1.9リバウンド。
「全然セルフィッシュな選手ではない」
ベンチから出てきてブレックスのオフェンスに活気を与える存在になりつつあるテーブス海も、「彼はすごい能力も高いですし、スキルもあるんですけど、全然セルフィッシュ(わがまま)な選手ではないというのが(合流)1日目からすごくわかって、パスもうまいですし、頭もいい選手だと思うので、セカンドユニットで一緒に出た時は走れる選手だと思いますし、ボールを運べる選手でもありますし、そうやって一緒にリングにアタックできる選手がいるというのは僕にとってもチームにとっても大きな存在だと思います」と、ピークが違いをもたらす選手という認識を持っている。
スターターの出来が良くなかった10月24日のサンロッカーズ渋谷戦のピークは、「自分はオールラウンダーだ」という言葉にふさわしいプレーを何度も見せる。
5本中4本成功とオープンの3Pを確実に決めただけでなく、速攻で左サイドでボールをプッシュした後、右ウイングで完全にオープンになっていたテーブスの3Pシュートを完璧なタイミングでアシストしたのは、冷静な状況判断ができることとチームプレーを理解していることを象徴していた。
「修正しながら前に進むしかない」
ここまでの自身の貢献度については、「チーム全体でプレーできているし、チャンスがある時にアグレッシブに得点を奪うこと、ディフェンスをハードにやるということではいい仕事をしている。まだまだ良くなると思っている」と語るピーク。
試合中に感情の変化が大きく表に出るタイプではなく、「ずっと流れに沿った人生を歩んできた。何か悪いことが起こっても、修正しながら前に進むしかない」という考えを持つ24歳の若者は、日本向きのプレーヤーと言えるだろう。
シーズン開幕から10試合、スコットとピークはブレックスの新戦力として期待に応えている。ただし、チームの目標はあくまでもB1制覇であり、長い道のりの序盤を歩んでいるところ。2人が本当の意味で違いをもたらすことができるか否かは、チャンピオンシップまで結論を待つ必要がある。とはいえ、そこへ至る過程という見方をすれば、着実に前進しているのは間違いない。