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「体調はすごくいいし…」ドジャース優勝で盛り上がる輪に“いてはならぬ人”が紛れ込んでいた! 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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photograph byGetty Images

posted2020/10/30 20:00

「体調はすごくいいし…」ドジャース優勝で盛り上がる輪に“いてはならぬ人”が紛れ込んでいた!<Number Web> photograph by Getty Images

ワールドシリーズを制覇し、ドジャースのチームメイトと記念写真におさまるターナー(下中央)。V直前に新型コロナへの感染が発覚していた。

 投手の顔がクレイトン・カーショーならば、野手のそれはターナーであることは紛れもない事実だ。そのターナーが歓喜の輪に加われない。感情論として、ドジャース首脳が許してしまったその気持ちは重々理解できる。だが、それとこれは違うとしか言いようがない。アストロズ首脳がIT機器を使った組織的なサイン盗みを黙認してしまったことと、ドジャース首脳の今回の判断は同罪と感じる。

 メジャーリーグ機構は翌日、「接触したすべての人を危険にさらした。コミッショナー事務所は2020年の共同オペレーション・マニュアルに基づき、選手会と協力しながら徹底調査を始めている」と声明を出した中で、当日の様子も明らかにした。

「我々が共同で同意したプロトコルと、周囲の人間の安全を守るために出された指示を無視したことは明らかだ。祝福したいという気持ちは理解出来るが、隔離場所を離れてフィールドに入った決断は間違っている。メジャーリーグの警備員がフィールドにいることは間違いだと指摘した際にターナーは聞き入れなかった」

試合後のツイッターでの呑気な発言

 フォア・ザ・チームに徹するターナーのプレースタイルから考えれば、信じられない事実と言えるが、ターナーが自身のツイッターで発した呑気なツイートには驚かされた。

「体調はすごくいいし、症状もまったく出ていない。仲間たちとフィールドで喜び合えなかったなんて信じられない。このチームをすごく誇りに思うし、ロサンゼルスの街のことを思うと信じられないくらい嬉しい気分だよ」

 世界一の記念撮影では、優勝トロフィーを真ん中に右がマスクなしのフリードマン編成本部長、左がターナー、そしてその横にはデーブ・ロバーツ監督がこれまたマスクなしで収まった。

 2013年から昨季まで地区7連覇を達成しながら、2017、18年はワールドシリーズでアストロズとレッドソックスに苦汁をなめさせられた。その上で32年ぶりにたどり着いた世界一。苦労と喜びの大きさが招いたミステイクと言えるが、アウトはアウト。メジャーリーグ機構が完全調査を行うと発表したその結果が注目される。

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#ジャスティン・ターナー
#ロサンゼルス・ドジャース

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