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「体調はすごくいいし…」ドジャース優勝で盛り上がる輪に“いてはならぬ人”が紛れ込んでいた!
posted2020/10/30 20:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
32年ぶりの世界一。フィールド上で歓喜に沸くドジャースナインの中に、その場にいてはならぬ者が1人いた。
ジャスティン・ターナー内野手、35歳。ドジャースの正三塁手であり、打線の中核を担う巧打者であり、チームリーダーでもある。
しかし、そのターナーは優勝を決めたワールドシリーズ第6戦の試合中に新型コロナウイルスへの感染が発覚。8回の守備から途中交代を命じられ、隔離措置が取られていた。
にもかかわらず、彼はフィールドに姿を現し、ナインとともに喜びを分かち合った。
ドジャースの誤った判断
世界中を恐怖の底に落とし入れた新型コロナウイルスの性質を考えれば、誰がどうみても、してはならぬ行動だが、ターナーが自分ひとりだけの判断で、機構が定めた取り決めを無視し、フィールドに飛び出てきたとは思えない。それは、優勝後に行われたアンドリュー・フリードマン編成本部長のオンライン会見からも想像できる。
「明らかに残念なことだが、この先がどうなるかわからない中で、ターナーがフィールドに出ることを止める者はいなかったと思う。彼はそれまでに自身が接触していなかった周囲の人たちには気を配っていた。彼が我々にとって、どれだけ重要な選手であり、最後のアウトをとるその時までどれだけ球団に貢献してきたかを考えれば、あの場に彼がいないことはワールドチャンピオンの喜びに少なからず影響を与えてしまう。これは誰のせいでもない。こういう展開になってしまったということでしかない。この先のことは状況を見ていく」
感情論としては理解できるが……
ターナーは今季で4年契約が満了し、フリーエージェントとなる。打線の中軸を担い、本塁打も多く打てる能力を持ちながら、進塁打など状況に応じた打撃を常に実践し、チームプレーに徹することの出来る数少ない選手である。