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姫野和樹はスーパーラグビーで通用するか? 解説歴10年・野澤武史「珍しいタイプ。人気者になれる」
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byKiichi Matsumoto
posted2020/10/24 11:01
スーパーラグビー挑戦を発表した姫野和樹。野澤氏はニュージーランドでも「人気が出る」と期待を寄せた
ニュージーランドでも人気者になれる?
19年W杯の日本代表では、松島幸太朗が今季からフランス1部の「TOP14」の強豪クレルモンに移籍し、現地でも注目を集めている。日本で絶大な人気を誇る姫野だが、ニュージーランドではどう受け止められるのだろうか。
「姫野選手の強みは、ボールキャリーとジャッカルに代表される強靱なフィジカルを活かしたプレーだと思います。特に現在はポッド・システム(グラウンドを縦に分割して複数のユニットをまんべんなく配置する戦術)が多くなり、一発一発のパンチが欲しいところで、姫野選手のあのボールキャリーは重宝されます。
そして相手のディフェンスが揃っていても前進できて、ディフェンスではジャッカルでボールを奪うこともできる。ニュージーランドでも有無を言わさぬ“問答無用系”になれる可能性はあります。昔でいえば元ニュージーランド代表のジェリー・コリンズ、トヨタ自動車でもプレーしたジェローム・カイノでしょうか。スキルフルなオールラウンダーが多いニュージーランドで、姫野選手は意外に珍しいタイプ。人気が出るのではないでしょうか」
旬の選手がスーパーラグビーに挑戦する
26歳になった姫野は、3年後のW杯フランス大会は29歳で迎える。日本代表の主力である姫野の成長は、そのまま日本代表の推進力になるはずだ。
「19年W杯があり、日本代表や姫野選手の活躍があり、世界の人びとが『日本人ってやるじゃん』となりました。そこからさらに、旬の選手が日本からスーパーラグビー アオテアロアに行くことに夢がありますよね」
世界はコロナ禍という未曾有の危機に直面しており、いまだ出口は見えない。そんな中で26歳の果敢な挑戦はまばゆい光を放つ。
愛知県生まれの日本人フォワードが、ラグビー王国ニュージーランドでどんな闘いを見せてくれるのか。姫野和樹の挑戦が今から楽しみだ。
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