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無能無策オーナーと会長に新監督と選手の不満大爆発! バレンシアが空中分解寸前か
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2020/10/20 17:00
リーガ3強を追う立場であるはずのバレンシア。空中分解寸前の状況から巻き返せるのか
会長の返答は「監督を続けてくれ」
『エル・パイス』紙の試算ではバレンシアのチームコストは約1500万ユーロ(約19億円)減ったはずだが、クラブ側はあと2000万ユーロ下げる必要があると主張する。
逆にオーナーが資本投下すればチームコストの上限を上げることもできるのだが、これ以上バレンシアにお金を注ぎ込む気は、リムにはない。
騙されたと感じたJ・グラシアは10月7日にムルティ会長と面談し、自分の希望がことごとく無視されてきたことに対する怒りを伝えて、友好的な契約解消を迫った。
300万ユーロ(約3億7000万円)の解約金を払わないといけないため、辞任はできない。ところがリムの指示を仰いだムルティ会長の返答は「監督を続けてくれ」だった。
J・グラシアの申し出に同意してしまうと、辞めたがっている彼に対しクラブは71日分の給料を与えなければならなくなる。
仕方なく職場に戻ったJ・グラシアは、プロとしてできる限りのことをしていくだろうが、チームの行く先に垂れこめているのは暗雲しかない。
10月15日には売却対象者だったジョフリー・コンドグビアが「意欲的なプロジェクトを台なしにし、監督と自分を騙した」と、ムルティ会長をSNS上で強烈に非難している。
また、「リムはバレンシアを売却する」という見方も日に日に強くなっている。