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令和のドカベンは2度目のドラフトで呼ばれるか? 特大アーチ、軽快な守備、ご褒美は焼肉
posted2020/10/20 17:01
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
「行った!」
打った瞬間、ベンチや関係者からそう声が聞こえるほどの文句なしの当たりは、大きな放物線を描いてレフトフェンスを越えていった。
10月18日、桐蔭横浜大のドラフト候補スラッガー・渡部健人は今秋、神奈川大学リーグ記録となる1季8本塁打を達成した。全10試合のうち、9試合目にして大台に並び、24日のリーグ最終戦には新記録樹立の期待もかかっている。これでリーグ戦と全国大会の公式戦通算では19本塁打、オープン戦も含めるとこれが大学通算41本目の本塁打となった。
巨漢ながら軽快な守備も魅力
176センチ112キロという体格から繰り出すパワーあふれる打撃が最大の魅力だが、渡部のすごいところは軽快な守備にある。日本ウェルネス高校(東京)時代は遊撃手、桐蔭横浜大では三塁手として、大きな体躯を揺らしながら丁寧にボールをさばいていく。足も決して遅くはない。
体が大きくなったのは小学6年生の頃から。大会優勝のご褒美が焼肉だったこともあり、強いチームに所属していた渡部は勝っては食べて、どんどん大きくなっていった。