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“欧州の辺境クラブ”は「まず、名前が読めない」 編集泣かせもCLで意外に輝くドラマ性 

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杉山孝

杉山孝Takashi Sugiyama

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posted2020/10/20 20:00

“欧州の辺境クラブ”は「まず、名前が読めない」 編集泣かせもCLで意外に輝くドラマ性<Number Web> photograph by Getty Images

見事“デンマーク代表”としてCLの舞台に挑むミッティラン。サッカーファンなら彼らのような辺境クラブも愛したい

どこかで聞いたことがあるような……

 選手も、この厳しい階級社会を生きている。

 ハンガリーの名門、フェレンツバーロシュのメンバー作成中に手が止まった。ロベルト・マク? どこかで聞いたことがあるような……。そう、昨年ゼニトで出会った選手だ。

 アザーリーグには回遊魚のように、CLに出場するマイナークラブを渡り歩く選手がいる。数年ぶりに“再会”したら、個人的には同窓会気分だ。しかもこのロベルト・マクは1月に移籍したトルコのクラブを3月に離れ、無所属の時期が続いていたという。

「コロナ危機の中でクラブを探すのは楽じゃなかったよ……」

 トルコを離れたのはウイルス感染への恐怖が理由だったというから首をひねりたくもなるが、復帰を遂げたスロバキア代表ウィンガーの幸運を祈りたい。

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 アヤックスのFWは、SNSで美人の彼女をゲットした!? 短い選手紹介文には、現地在住ライターだからこそ知るトリビアも盛り込まれる。FCクラスノダールのビクトル・クローソンは昨季出場ゼロ。調べてみると十字靭帯断裂とのことだったが、ロシア移籍のいきさつ、リハビリの様子を知ると、応援したくなってくる。そんな詰め込みきれないストーリーも多い。

 遠い日本でもスマホで試合をライブ観戦できる時代だが、まだまだヨーロッパには未知の世界が広がっている。欧州の辺境には、興味をかき立てられるばかりだ。

 コロナ禍で時期はズレたが、今年の名鑑作成も熱かった。もうすぐ始まるCLでの「その他の欧州」との再開が待ち遠しい。

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