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秋華賞は「新種牡馬産駒丼」で勝負! デアリングタクトが飛べば…妄想膨らむ一攫千金馬券術
posted2020/10/16 20:00
text by
石田敏徳Toshinori Ishida
photograph by
Kyodo News
“親子丼”とは同じ馬主や同じ厩舎所属の馬がワンツーを決めること。大本命がドンと構えて「ちょっと退屈」と思っているあなたのために、食欲をそそる丼馬券の楽しみ方を徹底指南。
無観客で実施された今年のオークス当日、競馬仲間とリモート観戦会を開催した。で、パソコンの画面越しに各自の見解を述べあっていたレース前、後輩の1人が「僕はノーザンファーム、バンザーイという馬券を買いました」と言った。
それを聞いて私は“むむ、ならば岡田ボックスという手もあるな”と閃いた。詳細は別記事に譲るが、今年のオークスには岡田繁幸さん、牧雄さん兄弟の関係馬が4頭出走。遊び馬券でそのボックスも買っておくかと心が動きかけたのだ。
とはいえ、我が本命馬は岡田兄弟とは無関係のミヤマザクラ。そもそも周囲には散々、「デアリングタクトは危ない」(=距離が長いと睨んでいたのです)と触れ回ってきたしなあ……と思い悩んでいるうちに、締め切り時刻が過ぎてしまった。
春の無念を晴らして見せましょう
買わなかった閃き馬券は本当によく当たる。結果は無傷の2冠制覇を達成したデアリングタクトの2着にウインマリリンが粘り込み、3着はウインマイティー。見事な“岡田丼”の決着である。4頭の3連複ボックス(4点)を買い足すだけで、その払戻金は1万5020円、3連単(24点)なら4万2410円。何とかならなかったのか~! と、自分を責めても後の祭りであった。
そんな私に編集部から下ったのが「親仔」に焦点を当てた本誌の特集に合わせ、「秋の3歳GI(秋華賞、菊花賞)で飛び出しそうな親子丼馬券を探れ」との指令。聞けば、本誌のU編集長の厳かな“お告げ”が企画の出発点になったとか。
「ワシには見える。この秋もきっと親子丼馬券が飛び出す。そんな予感がする」
開店前のパチンコ屋に並んで希望的妄想──きっと出る。今日は出る──を膨らませているオッサンみたいだなと思わないでもなかったが、「将棋特集」で世間の度肝を抜いた男の閃きは侮れない。よろしい、春の無念を晴らしてみせましょう。というわけで様々な“親子丼馬券”を考えてみた本稿、どうぞお付き合いください。