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秋華賞は「新種牡馬産駒丼」で勝負! デアリングタクトが飛べば…妄想膨らむ一攫千金馬券術
text by
石田敏徳Toshinori Ishida
photograph byKyodo News
posted2020/10/16 20:00
史上初の無敗の牝馬三冠を狙うデアリングタクト。オークスでの“岡田丼”再現も?
最も有名な親子丼対決は
本題に入る前にまずは歴史のお勉強をしておこう。秋の大レースで最も有名な親子丼決着は1979年の菊花賞で記録された。1着のハシハーミット、2着のハシクランツはともに内藤繁春調教師の管理馬で、シンザンクラブの所有馬。特に同一馬主の1、2着独占はこのときがクラシック史上初の快挙とあって、翌日の紙面には「6700万円(=1、2着賞金の総計)の“親子丼”」といった見出しが躍った。
シンザンクラブは戦後初の3冠馬シンザンのオーナー・橋元幸吉氏の長男に生まれた橋元幸次氏が、「父の遺志を継ぎ、シンザンの血を引く馬で大レースを勝つ」ことを目標に親族と設立した共有会社である。両馬の母の父はともにシンザン。2着のハシクランツも残り、2頭と一緒に行ったレース後の口取り撮影は、親子で追いかけた夢がかなった瞬間でもあった──。
秋華賞はあの馬が…妄想が膨らむ
ううむ、いい話じゃないか。何だか私も“きっと出る予感”がしてきたぞ。心が温まり、いい感じにテンションも高まったところで本題に戻り、まずは秋華賞から。二匹目のドジョウ狙いで岡田丼を買う手もあるが、ひと捻りして「新種牡馬産駒丼」はいかがでしょう? 無傷の戴冠に挑むデアリングタクトはエピファネイアの初年度産駒。同馬の産駒は他にも、ローズS2着のムジカがいる。
現3歳世代が初年度産駒にあたる別の新種牡馬に目を向ければ、キズナ産駒はトライアルの紫苑Sで復活を果たしたマルターズディオサを筆頭に、コントレイルと同じノースヒルズの生産馬アブレイズ、フィオリキアリ、ダートで実績を積み上げてきたダンツエリーゼがスタンバイ。紫苑Sでは6着に終わったものの、直線の脚は見せ場十分だったウインマイティーも父ゴールドシップの初年度産駒だ。多点買い上等と思っている私でもさすがにこれでは多すぎるので、先の7頭から独断と偏見予想でダンツエリーゼ、フィオリキアリ、ムジカを除外。ここは4頭ボックスの馬単&3連複で攻めてみたい。元本割れもあり得る半面、もし、デアリングタクトが飛べば……。ああ、楽しみな妄想が膨らむ。