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デアリングタクトの“ハイテンション”対策に陣営は何をした? 順風満帆ではない無敗3冠牝馬への道

posted2020/10/16 17:00

 
デアリングタクトの“ハイテンション”対策に陣営は何をした? 順風満帆ではない無敗3冠牝馬への道<Number Web> photograph by Kyodo News

桜花賞を制したデアリングタクト。さらにオークスも制し、無敗のまま秋華賞へ臨む

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Kyodo News

 この秋の3歳GI戦線は、牡牝ともに無敗の3冠馬誕生なるかが話題の中心になっている。

 菊花賞(GI)の前哨戦として9月27日に行われた神戸新聞杯(GII、中京競馬場、芝2200メートル)ではその話題の中心にいるコントレイルが圧勝。この後も無事に行けば来週末の3冠馬誕生にまた一歩近付いた感があるが、それに先駆けて今週末に行われるのが牝馬の3冠目・秋華賞(GI)だ。

 京都競馬場の芝、内回り2000メートルが舞台となるこのレースで、史上初の無敗の3冠牝馬を目指すのがデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。

無敗の2冠制覇に多くのファンが

 昨年の11月、当時2歳でデビューした同馬は京都競馬場の芝1600メートルの新馬戦を快勝。年が明けて今年の2月に2戦目としてエルフィンSに出走すると、4コーナーでもまだ後方と苦しい競馬をしいられたように見えたが、最後の直線で他馬とは一段も二段も違う性能の良さを発揮した。終わってみれば2着に4馬身の差をつけての楽勝。見事連勝を飾ってみせた。

 こうして2戦2勝で迎えたのが自身初のGI挑戦となる桜花賞だった。ここは同じ阪神競馬場、芝1600メートルのGIである阪神ジュベナイルFの勝ち馬レシステンシアに1番人気を譲ったものの、結果は粘り込みをはかるこのGI牝馬をデアリングタクトの末脚が楽々と差し切り。1馬身半の差をつけ、無敗で桜の女王の座を射止めてみせた。

 これで3戦3勝。無敗の桜花賞馬となった事で、続くオークス(GI)では圧倒的な1番人気に支持された。初めての東京競馬場で距離の2400メートルも経験はなかったが、単勝は1.6倍。1957年のミスオンワード以来、実に63年ぶりとなる無敗での桜花賞、オークスの2冠制覇に多くのファンが期待を寄せる形で樫の女王決定戦に臨んだ。

【次ページ】 他馬のマークの中見せた並大抵でない力

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デアリングタクト
松山弘平

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